憂鬱
芳田紡
憂鬱
最近長期休暇に入った。
こんなどうしようもないことを書き留めている時点でお察しだが、私は休日時間がなくなるほど予定が埋まることはない。
もっとも、別に人と遊ばないというほどではなく、出かける日よりも出掛けない日のほうが多い、くらいのものだ。
つまるところ、私はとにかく暇である。
私含め多くの学生は常に暇を欲するのだが、いざ暇が訪れると、それは退屈となんの違いもなくなる。少なくとも私はそうだ。
憂鬱だ。
何が、と問われても答え難いが。
朝から降っている小雨の音のせいか、灰がかった空気の色のせいか。
はたまた何故か大量にだされる課題のせいか。
いや、そもそも暇ということは何の関係もないのかもしれない。
意識して考えてみると、特に暇で無かったとしても私は退屈だし、常に未来を考えては不安になる。
先の人生、何か努力しなければならない時が来るのだろうとか、それが何かわからないこととか。
そういったものは知識があればどうにかなるのだろうと漠然と想像しているが、何の知識を取り入れるのかは見当もつかないし、そもそも不安を消すことよりも興味のないことをする方がよほどストレスが溜まる。
そういえば、最近彼女と別れた。
告白されて、特に理由なく付き合って。
一時期は心の底から好きになって。
結末は、「冷めたから別れる」なんてしょうもないものだった。
どこもそんなものなのだろうか、と少し考えるが、そう考えるたびに、別れたいと告白した時のあの人の表情が目に浮かぶ。
私はもとより小心者で、人を傷つけることには少しも慣れていない。
だからまあ、こんな結末を一般的と答えることに違和感を覚えるというか、どこか哀しいような気がする。
なんて、私が言えた話では無いのは分かっているつもりだ。
そんな話も私の陰鬱な気持ちの原因に加担しているのだろうか。
私の心を私がみることができたらいいのだが、そんなことはできるはずもない。
この何を伝えたいかもわからない文章を書き記したところで、この曇りが晴れる訳がなかった。何故だか少し期待してはいたのだが。
晴れを見たいと布団に身体を隠しても、雨音は私の耳に入ってくるし、耳を塞いでも聞こえなくなることはない。
結局のところ、何の生産性もない感情と付き合って生きるしかないわけだ。
以上、取り留めの無い話である。
憂鬱 芳田紡 @tsumugu0209
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