流暢のあずまや
紫 李鳥
流暢のあずまや
「えー、
この美しい風景に
「こちらこそ、お招きいただき、おーきにどすこい」
「ん! 素敵なお召し物ですね?」
「おーきに。お召しあそばせ。お召し物だけに。なんちゃって」
「ん! 師匠。
「だって、うじうじしちゃったから宇治茶飲んでんだもーん」
「なんで、うじうじしちゃったんですかい」
「だって、二人がいいムードだったからさー」
「何、師匠、やきもち焼いてたんですかい」
「yes、キリスト」
「ッ。
「流暢。師匠の俺に向かって下手くそはねぇだろ?」
「誰もくそとは言ってませんよ。下手と言っただけで」
「だって、ヘタ取るの下手なんだもん」
「ツ。また駄洒落ですかい。ヘタって、なんのヘタですかい」
「ナスのヘタ。
「当たりめぇじゃねぇですか。与一さんに失礼ですよ。ご覧な、紫李鳥さんが退屈してるじゃねぇですか」
「アイムソリー、ひげ剃りー」
「そんなことおへん。師匠と流暢はんの掛け合い、大好きやわ」
「おーきに」
「師匠、京都弁になってまっせ。紫李鳥さんもビックリくりくりクリスマス」
「あら、そう? 感化されやすい新潮どす。慎重に考えた結果、洋服も新調したの。どう?」
「ステキなパーカーどす。新潮師匠が居れば、それだけで気持ちが安らぐわ」
「あっ! 入れ歯が、はっ! ずれた」
「汚ねぇな師匠。ズレたのかハズレたのか、どっちなんです?」
「ズレたようなハズレたような。そうよそうなのズレハズレ。入れ歯はズレないはずなのに、ハズレるなんて、イヤーん、イヤーん」
「わけ分かんないな。レディの前なんですから、言葉には気をつけておくんなさいよ」
「アイムソーリー、ひげ総理」
「師匠の話はおもろいわ。
「……なるほど」
「師匠。自分でほざいといて気づかなかったんですか? 紫李鳥さんのお陰じゃないですか。礼を言わないと」
「センキュー!」
「英語かい」
「師匠はほんま楽しい人やわ」
「師匠。
「……」
「師匠、何テレてるんですか? 顔がデレーっとしてまっせ」
「花王せっけん使ってるから。顔だけに。なんちゃって」
「ん! わけ分かんないな。ところで、紫李鳥さん。ペンネームの〈しりとり〉ですが、何か由来はあるんですか?」
「某サイトでしりとりサークルを主催してるもんですから、“しりとり”に適当な漢字を当てて、“紫李鳥”にしたんどす」
「しりとりサークルですか? 面白そうですね。会員登録しようかな」
「流暢はんが参加してくれはったら、楽しくなるわ~。あとでメールしますよってに」
「師匠も一緒にどうです?」
「……」
「師匠。お昼寝の時間じゃねぇんですから、目を覚まして」
「ばか野郎。寝てねぇよ、目が細いだけだ」
「失礼しました。師匠も一緒に登録しましょうよ」
「今、ペンネーム考え中」
「やったー! 師匠も一緒に登録しますのでよろしく」
「へ、おーきに。お待ちしてます。ほな、執筆の時間が来ましたよって、この辺で失礼します」
「紫李鳥さん、お忙しい中ありがとうございました。最後に適当な言葉をひと言お願いします」
「そうどすか? ほな。〈
「紫李鳥さん、貴重なお言葉をありがとうございました」
「ほな、さいなら。新潮師匠もさいなら」
「えー、もう帰んの? つまんなーい」
「師匠。子供みたいに駄々をこねたら、紫李鳥さんに笑われますよ」
「だって、もっと話したかったんだもーん」
「しりとりサークルに登録すれば、また話ができるじゃねぇですか」
「だね。ところで、紫李鳥さんが言った最後の言葉だが、どういう意味だ?」
「ああ。“青は藍より出でて藍より青し”ですかい? 弟子が師匠より
「良いこと言うね、紫李鳥さんは」
「ん! ん! 物も言いようで角が立たぬ。ということでチャンネル登録よろしく~」
流暢のあずまや 紫 李鳥 @shiritori
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