信じてたのに…

りーしぇん

SNS

「誹謗中傷?」

 人気アイドルグループSENSEセンスの2期先輩であるカスミが後輩のレナにそう問う。


「はい…なんか最近酷いのがひとり居るんですよね」

 レナはSNSをやっていたが近頃粘着質なアンチが誹謗中傷をしてきていた。

『なんかちょっと調子のってる』

『歌は好きだけど性格が嫌いです』

 …など法的なラインを超えた発言などは無いが、しゃくさわる内容だった。

 これも人気者の運命サガかと無理にでも自分を納得させようとしたのだが…。


「気にしなければいいじゃん。アンチなんて全体の1%にも満たないわよ」

「そうなんですけど…そういうコメントに限って目立つんですよね」

 まだレナは未成年で若かった事もあり、なかなか気持ちの切り替えが出来なかったのだ。

「じゃあブロックすれば?SNSは今そういう機能あるから」

 カスミが提案してくれた。

「そうですね。嫉妬なのか羨望なのか、好きの裏返しなのかは分からないけど、やっぱり悪意も感じるので」


 その日レナはそのアカウントをブロックした。

書き込みはエスカレートし、『整形モンスターお疲れ様です』

『このこヤリマンで〜す』

といった事実無根の書き込みになっていった。

 昨今は誹謗中傷に対する罰則が厳しい。どう捉えるかは送られた側の人間が判断することなので、どうしても送る側は慎重になる人間が多い。

 なのでレナは疑問に感じていた。

「本人特定されたら捕まっちゃうのに誹謗中傷なんてよく出来るよなあ」

 レナはここである事を思った。

「もしかして悪意無くやってたりして…」

 ブロックした事に少し罪悪感

 を覚えたが、嫌なものは嫌なので解除はしなかった。



 __翌日



「先輩!おはようございます」

 レナがカスミに挨拶する。

「あー!おはようレナ。昨日のドラマ観た?面白かったよね!」

「観ました!盲導犬があんな巨大化するなんてビックリしました!」

 流行りの月9ドラマの話で盛り上がる2人。

 唐突にカスミがレナに問う。


「そういえば私アナタにブロックされたんだけど、操作ミスった?」





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