ナイスエイムボーイ

@mautora

prologue ナイスエイムボーイ

バイト終わり、近くの大型ショッピングセンターの中にあるゲームセンターに立ち寄って太鼓マスターというゲームをやっているところだった。


「きゃあああああああああああああああああ!!!!」


「オラァ!死ね!!」


遠くで通り魔が現れたらしい。

通り魔が持っているのはよく家庭にあるような包丁だった。

周りの人々の様子を見ると、怯える人々、カメラを構える人々、見て見ぬ振りをする人、と誰も襲われている女性を助ける様子が見られない。

だが俺も助けるには約60mほど距離がある。

しかし通り魔が女性に馬乗りになっているのを見て何もしないわけにはいかないと

焦る。

そこで手に持っているのを見る、バチだ。

俺はこれしかないと決心する。

中学時代やっていたジャベリックスローを意識して手元のバチを通り魔に向けて

投げる。

それが見事通り魔の頭にクリーンヒットし、通り魔は不意を突かれて包丁を落としてしまい、それを野次馬の中にいた勇気のあるおじさんが回収する。

これが契機となり凶器を失った通り魔から女性を助ける動きが強まり最終的には

通り魔が逃亡するもすぐに駆けつけた警察に現行犯逮捕された。

通り魔が追い詰められているところを見て俺はやらかしたかもと思い、逃亡する。

しかし防犯カメラはしっかりと彼の姿を捉えている。

また、太鼓マスターの画面にはサビに入ってノリノリな”FF外から失礼します”というユーザーネームの太鼓のキャラクターが全く音符を捉えず口から魂を吹き出して

いた。

これは通り魔がFF外から失礼されたと話題になり、SNSで拡散され、メディアに広まることとなった。

女性を救った謎のヒーロー”FF外から失礼します”の正体である羽村 正(はねむら まさ)に非日常が降りかかることの第一歩となった。

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