テストの残り時間で考えた物語
mafuyu.
努力
努力は裏切らない。そんな言葉は嘘だ。どうれだけ努力しても、生まれ持った才能はどうしようもない。
俺、空たかしは、高校2年生で努力をやめた。それまでは何事にも一生懸命だったと思う。スポーツも勉強も、大変なのも楽しかった。
でも高2になって代わってしまった。何事にもやる気が起きず、何にもテキトーに取り組み、スポーツで負けても悔しく思わない。
原因はおそらく分かっている。中学の頃からやっていた卓球を高校でも続けた。自分の能力に自信があったしずっと努力してきた。
だけど、同じ学年の山野頂。高校から卓球を始めて、最初は下手くそだった。
俺は山野が下手くそだからうまい自分が教えてやらなければと思った。山野はいいやつでそれをきっかけによく話すようになった。
だが、山野の才能は凄まじかった。
教えたことはすぐにできるようになり、高2になる頃には明らかに俺より強くなっていた。そこで俺は何のために卓球を続けているかわからなくなった。
そして今、退部届を職員室に持って行っている最中だ。
だが、途中で山野が前へ立ち塞がった。
「・・・なんだよ。」
俺が不機嫌そうにそういうと、山野は
「なんでやめるの。ずっとやってきたんでしょ。今までの努力を無駄にしちゃうの」
俺はその言葉を聞いて怒り、声を荒げた。
「お前みたいな天才にはわかんねえよ!努力は裏切らない?んなわけあるか!そんなの嘘っぱちなんだよ!」
自分でつい、言ってしまったと思った。こいつに当たっても仕方ない、はは、なんでカッコ悪いんだよ。
「ふざけんな!」
今度は山野が声を荒げてそう言った。
俺は少し驚いたが、構わず山野は続ける。
「努力は裏切らない、それは本当だ!裏切ったのはお前だろ!お前が努力を裏切ったんだ。今まで続けてきた努力を無くそうとしている!ふざけんな!」
テストの残り時間で考えた物語 mafuyu. @mafuyu21low
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