supernova


 熱がでたりすると 気づくんだ

 ぼくには体が あるってこと



 そう歌にしたのは、BUMP OF CHICKEN。ミカさんはBUMPさんが大好きなのだ

 


 ミカさんは、よく体調を崩す。それは、しょっちゅう。とくに雨の日の後は最悪だ。

 

 今日も重たい身体を布団の中にしまい込んで、どうしてこんな身体なんだろうと思ったところで、BUMP OF CHICKENのsupernovaを思い出す。

 素晴らしい歌詞だ。歌声も演奏も。


 歌詞を読み進めると、なんてことの無い、当たり前のことを書いている。(良い意味で)

 だが、ハッとさせられる。気づかされる。





「本当の大事さは 居なくなってから知るんだ」

「君をなくした後で見つけ出すんだ 君との出会いが会ったこと」



 挙げればキリがないけれど「そんなことわかってるよ」と思うことを、言語化されて初めて「そうそう、私が言いたかったのは、それ!なんで、見つからなかったのだろう」とストンと腑に落ちる。


 決めゼリフばかり吐くヒーローや、名言ぽい言葉を言う主人公も時にはいいけれど、半径数メートルの出来事を「当たり前」で片付けがちな感情を言葉にするのは難しい。


 だから、好きだ。



「そんなこと、わかってる」

「そんなの当たり前」

 

 だが、いざ言葉にしようとすると、スルリと居なくなってしまう。

 夕日を見て感動した時。

 思い通りにいかなくて、悔しい思いをした時。

 春風がふいた時。


「美しい」とか「綺麗」とか「ムカつく」と言った言葉で片付けてしまっていないだろうか。



 言葉は難しい。

 あの時の感情を、言葉にするにはどうしたらいいだろう。

 まるでパズルゲームだ。当てはめて、外して、遠くまで散らばったピースを探しに行く。



 真夜中に、ミカさんはイヤホンをして歌を聴く。

 何度も、何度も聴く。

 ずるいな、とミカさんは思う。

 歌を聴いて、自分の見つけられなかった言葉を探して、自分のものにしようとしている。

 

 出来るかな。私にも出来るかな。

 やってみよう。大丈夫かな。

 素敵な歌を傍らに。


「もう一度 もう一度」

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