第40話
三十九話に改稿入れました。
———————————————
姿を現したモンスターはゴブリンの上位互換的な存在であるゴブリンジェネラルの群れだった。
流石に“災厄”のダンジョンともなるとゴブリンやスライムなどではなく、雑魚敵のレベルも上がるようだった。
「大体百匹くらいかな?」
「それじゃあ二十五ずついきますか」
「「「OK」」」
四人が散り、僕と陸くんが剣で、空くん、海くんがそれぞれ弓と魔法でモンスターを薙ぎ払っていく。とはいっても数がそこそこいるため、時間がかかりそうなので全員にそっと能力増強魔法をかけておく。
そのおかげもあってか、凄まじい勢いでモンスターが消えていく。
“うおぉぉぉぉぉ!凄ぇぇぇぇ!”
“うぅん、やっぱり最強!『銀河の蜿』最強!”
“これは一体何?ゴブリンジェネラルって強敵でタイマンでも苦労するはずだから、こんだけ多いとどんなパーティーでも全滅必至のはずなのに……”
“流れてる血がもう違うんよwww”
“初めてこういうの見たけど凄いな……。語彙力?そんなものは置いてきた”
「オッケイ30」
「ちょっ、陸くんやりすぎ。二十五ずつって話でしょ」
「いや体が軽くてさ。まぁ、早い者勝ちということで」
ニコニコと海くんの抗議を流す陸くん。
その内に軽く敵を全滅させ、僕以外の三人がフゥと一息吐く。
「特に問題もなさそうだし、それじゃあどんどん行きますかね」
僕たちは魔石を回収して薄暗い通路を奥に進んでいく。
道中何度かモンスターと遭遇するも難なく突破していく。
気がかりなことといえば両親が潜っていたときよりもモンスターとのエンカウント率が高い気がするな……くらいだったがこれに関しては運もあるので仕方ないと二階層に進んだ。
すると入った途端に、黒竜の群れが襲いかかってきた。カメラマンを務めている彼女が軽くヒィッと声を上げた。あの事件で散々苦しめられていたからか。
最終的にあのバケモノと戦わなければいけないことを考えると仲間に無駄な魔力を消費させるわけにはいかなかった。
咄嗟にそう判断した僕は誰かが攻撃を仕掛ける前に剣を軽く振り、斬撃を飛ばして処理をしにいく。
ダンジョン暴走のときのように首が飛ぶと思いきや、ほとんど無傷で耐えてきた上に僅かに入った傷も再生される。
「おお、硬っ」
あのダンジョン暴走のときの個体となんでこんなに違うんだ?と僅かに首を捻る。流石に硬くなりすぎだよな……。
“注:この人物は回復術師です”
“硬っは本音出てて草”
“そもそも斬撃の時点でおかしいんだよなぁwww”
“常識を求めたやつから消えていくんだ”
“というか現存勢力で最強ってこのくらいなん?微妙じゃね?”
“もう剣士やれ定期”
“なんか上から目線のやつおるな。レベルの高さ分かってるんか?”
“大体、そういうやつネットでしかイキれないチー牛隠キャ”
少し本気出すかと軽く力入れて込めて振りを早くし、火力を魔法で増強した上で斬撃を飛ばす。
ヒュンといういい音とともに群れ全員の首が一斉に横にずれて全員が地に落ちた。
「mamamama。こんなもんか」
“強すぎワロタ”
“黒竜を斬って一言。「こんなもんか」www 人生で一度は言ってみたい”
“順調やな”
“さっきのやつ、何も言えなくなってて草。絶対顔真っ赤かやろwww”
“ナイス〜”
少し視線を感じて、振り向いてみれば呆れた顔をしている四人。
「……天くん」
「……はい」
「ちょっとは僕たちにも倒させてね。……僕たちが本来戦闘職のはずだから……」
「ごめん……」
———————————————
期末試験前にもう一度、そして期間中に更にもう一回更新の予定。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます