第24話
(危なかった…あと少しでも遅れてたら完全に手遅れになるところだった……)
九条の右腕を斬り飛ばして、西野さんの拘束を解いた僕は彼女に抱きつかれたので優しく抱き締めかえした。西野さんの体は震えていたが僕に抱きしめられて少し落ち着いたようだった。
この時点で僕の九条に対する憎悪、憤怒といった感情はカンストしていた。今まで何度も殺したくはなったが、僕がギリギリ堪えられていた。ただ、今回はその僕の耐久値を超えてきた。
あっちの世界で所謂悪徳領主が若くて美しい女性を性奴隷として侍らせているのを見たことがあるが、その時は不快になった程度で殺してやりたいとは思わなかった。……のちにこいつが魔族信者であり、魔王側に資金を流していたことが判明したので容赦なく斬り殺したが。
しばらくして西野さんが泣き止んで顔を真っ赤に染めながら僕から離れたのでそれならもういいかとこれから僕がやることは少しグロく、刺激的なことでもあるので、見てショックを受けないように魔法をかけて眠らせた。眠ったのを確認すると九条の方に向き直り、決着をつけることにした。
九条はベッドの下で痛みで叫びながら転げ回っているだけだった。
僕はその九条の首根っこを掴み、無理矢理体を起こさせた。
「九条、もちろん覚悟はできてるよな」
「知らねぇって!そもそも無能ごときが……、俺に逆らいやがって……、あと痛ぇよ……。無能とはいえども回復術師なんだから早く治しや「うるさい」グエッ!」
軽く腹パンをしてやったら情けない声が九条から漏れた。それでもギャアギャアと騒ぐことは九条はやめない。今度は左腕の指を一本斬り落としてみたが静かになるどころか痛い痛いと余計にうるさくなった。
もう無理矢理黙らせるか……。
「これをする気はなかったんだけどな……。まぁ、精々絶望感を味わってくれ」
僕は九条の脳内に僕が今までに加奈、悠乃にしてきたことを含め、九条に関連しているものを全て送りつけた。
加奈の男性恐怖症から、悠乃そして世界に施した記憶改竄、ダンジョン内で九条の身に起きた
全ての記憶を辿り終えた九条は痛覚を塗り潰すほどの恐怖で震えていた。
「あっ、悪魔かよ……、お前……」
「そうかもね。でもお前も人のこと言えないよな……。ここまでのことをされるくらい僕に恨まれてるんだから」
「……」
黙りこくってしまった九条。それじゃあ、もう全部終わらせようか……。
「じゃあ、もう試合終了だ。——あの世でも震えて眠れよ」
「ちょっ、ちょっと待ってくれ。いや、待ってください。お願いします……なんでもしますから……」
僕の明確な殺意を感じ取った九条は僕に土下座をしてきた。
「……はっ?今更何言ってるんだ?今まで自分がしてきたことが分かってるのか?」
というより前とは完全に立場が逆転しているな……。
「分かってます。分かってますから……」
思考解析をかける。
「ダウト。バレバレなんだよ。心の中に湧いているの僕への殺意だけなんだが……」
「ッ——!」
「ちなみに遺言とか無しな。——斬r「待って!」」
思いもしないところから声の飛んできたことに僕は驚き、その声の主を、僕の服の袖を掴んだ彼女の方を向く。
「西野さん……?」
眠らせておいたのになんで起きられたんだ……?
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おまけという形で異世界での話を乗っけたいものの、なろうと違いこれも文字数に入ってしまうので、ドラノベに応募している人間としてはやりにくい…。(今後消しますが)
ということで近況ノートに上げられたら上げます。
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