第3話 転生少女と皇子達
スピカちゃんが私と住むようになってから1週間が経った。
「スピカちゃん、いってきまーす!」
私はいつも通り薬草を摘みに森の奥へ向かった。
「いってらっしゃーい!」
私はスキップをしながらたくさん薬草を摘んだ。
ついでに茶葉とかもたまに生えてるんだよね〜
しかも、もうちょっと奥に行くと…
「まだ収穫日じゃないか…」
私自家製の畑がある。
ジャガイモやにんじん、トマト、サツマイモ、ラズベリー、などなどが植えられていて、良くスピカちゃんが食材を使ってご飯を作っている。
あと数ヶ月で育つかもなぁ…
私はとりあえずもうちょっと奥へ進んだ。
歩いている最中、茂みから物音がした。
この森、魔物出るの!?
魔法、使えるっけ?
まあ、どうにかなるでしょ。
しかし、茂みから出てきたのは、小さな男の子二人だった。
「「「誰?」」」
ハモった。
服は汚れてるけど、かなりいい布を使ってる。
もしかして、貴族?
「君たちは、迷子?」
「う、うん。」
「名前は?」
「僕、テオ。」
背が少しだけ高い方の男の子が答えた。
「僕、ネオ。」
「私はレナ。とりあえず迷子ならうち、くる?」
「「いいの!?」」
目が光ってる。可愛い。
「うん。ついてきて。」
私は二人がちゃんとついてきてるのか確認しながら自分の家へ戻った。
「ここが私の家。」
「「すごい」」
家のドアを開けると、洗濯物を抱えてるスピカちゃんがちょうど玄関を通り過ぎていった。
「スピカちゃーん!洗濯は私がやるから!」
「いやいやいや。居候させてもらっているのだから、精一杯のことはしなきゃ!」
居候なんて言葉どこで覚えたんだろう。
「あ、とりあえず、二人汚れてるみたいだし、お風呂入ってきて。その間に服作っておくから。」
「え!?お風呂!?」
テオが驚きながら私のことを見た。
「そう。誰も覗かないから。入ってきなさい。」
「「は、はい。」」
二人のお母さんになった気分だわ。
男の子の服なんて、作ったことないけど、大丈夫かな?
よし!どうにでもなれ!
私は布を使ってミシンで服を作り始めた。
シンプルな長袖と、シンプルなズボンで大丈夫だよね。
私はスピカちゃんの時と同じように、服をお風呂の扉の前に置いておいた。
これで大丈夫でしょ!
数十分後、二人が私が作った服を着てお風呂から出てきた。
「か、可愛い。ココア飲む?」
ちょっとだぼっとしてる所も可愛い!
「毒、入ってない?」
「へ!?毒!?」
貴族って毒飲むの!?
「入れるわけないじゃん!」
「そうだよね。ありがとう。」
二人とも、どんな環境で育ったの?
って、聞きたいけど、失礼だよね。
ココアを飲みながら、私は二人がこの森の中にいた理由を聞いた。
「家が襲撃された!?」
「やばいですね。」
スピカちゃんもやっと休んでくれた。
「お母様のことを置いてきてしまって、ずっと心配なんです。」
テオとネオの表情が沈んだ。
この子、いい子達だなぁ。
私は二人の方に手を置いた。
「大丈夫だよ。君たちはいつまでもここにいていいし、明日からお母さんのことを探しに行けばいいんじゃない?」
「「リナさん...」」
「今日はもう外にでちゃダメだからね?魔物が出るから。スピカちゃんもだよ?」
「「「はい!」」」
妹と弟ができたみたい。
そういえば、二人のベッドは、どうしよう。
あ!そういえば、この家に膨らませるとベッドができるやつなかったっけ?
「ちょっと取って来なくちゃいけないものがあるから、三人で仲良くしてて!」
私は自分の部屋にある物置を漁り始めた。
ガサゴソしていると、探していたまだ空気が入ってないエアベッドを見つけた。
しかも、ちょうど二つ!
これなら、二人とも泊まれる!
私は早速ふくらまして、三人に見せてあげると、
「リナさんの物置ってすごいですね」
ってみんなおんなじタイミングで言ってた。
そんな三人も可愛いんだけどね!
その日の夜...
私は三人の可愛い寝顔を、いや、何にも起きてないか確かめるために、三人が寝ている部屋の中へ入った。
スピカちゃんの寝顔は、まじ天使。
テオとネオは、ぎゅってして寝てる!
可愛すぎる!
一人口を押さえながら悶えてるリナだった。
転生少女は今日も人生を楽しむ @Sakurayanagi
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