第2話 転生少女とヒロイン
「私の名前、変ですよね…」
「違う!そういう意味じゃない!私が聞いたことのある名前だから。」
「そうですか?」
「うん。スピカちゃんはソファーで寝る?」
「泊まっても、いいんですか?」
「うん!一人になりたい時までいて!」
「でも、私、迷惑で、手間が増えるだけですよ?」
「大丈夫!」
「あ、ありがとうございます。」
こんなことに遠慮するなんて。思いっきり甘やかさなくちゃ!
私は洗い物をした後、この家にある布の多さやミシンがあることから今の私は服を作るのが上手いことに気づいた。
「スピカちゃん、お風呂入ってきて!」
「わかりました。」
スピカちゃんが入ってる間に服作るか!
パジャマとワンピースをたくさん。
楽しくなってきた!
私は夜空のような青色の布を取り出して、ミシンで縫い始めた。
袖二つ、パジャマはズボンとシャツにして、もこもこのがいいなあ。
思ったより服作るのって楽しい!
私は手が器用みたいで、30分前後でパジャマができた。
もこもこパーカー系パジャマ。
後で夏用も作ろう。
私はお風呂の扉の目の前にパジャマを畳んでおいた。
「スピカちゃん、服置いとくね!」
わたしは叫んだ。
「はーい!」
声だけでお風呂を気に入ってるのがわかった。
ソファーに座って待っていると、私が作ったパジャマを着ているスピカちゃんがひょこっとリビングに現れた。
か、可愛い。
「気持ちよかった?」
「はい。」
少しだけ微笑んでる。やっぱりお風呂好きなんだね。
私はスピカちゃんの服と一緒に作った布団と枕をソファーの上に置いて、スピカちゃんを寝かせた。
布団をかぶってスピカちゃんはすぐに眠ってしまった。
「また明日。」
私は最後に呟いてお風呂に入り、パジャマに着替えてベッドの上で寝転がった。
明日はたくさん服を作らなくちゃ。今日はよく眠れそう。
「お姉さん。」
あと5分寝かせて…
「お姉さん!」
もうちょっと寝かせて。
「お姉さん!朝ですよ!」
「ふぇ!?」
私は変な声を出して起きた。そうだった。ここは小説の世界。
目の前には私が作った服を着たスピカちゃん。ちゃんと着てくれてる。嬉しい。
「スピカちゃん。おはよう。」
「おはようございます!朝ごはん作っておきましたよ!」
「えっ!?スピカちゃんの手料理!?嬉しい!」
この子すごすぎ!さすがヒロイン!
元気を取り戻していたスピカちゃんは、昨日とは比べ物にならないぐらい喜びで溢れていた。
私はスピカちゃんに手を引っ張られ、リビングへ向かった。
「お姉さん、どうぞ。あまりよくできてないですが… 召し上がれ!」
目の前に置かれていたのは…
ふわふわパンケーキだった。
しかもメープルシロップめっちゃかかってる!
スピカちゃん、すごすぎる。
アニメ飯じゃん!さいっこう!
私はナイフとフォークを取って一口食べた。
「お、」
「お?」
「おいしいいいいいっ!」
そんなに甘くないふわっふわっパンケーキにかかってるメープルシロップ、雲を食べてるみたい!
「良かったです!」
にっこり笑ってるスピカちゃん。
私はつい爆速で食べてしまった。
「ごちそうさまー!」
世は満足じゃ。
こんな美味しいパンケーキ食べるの初めてだったわ。
あ、やべ。スピカちゃんと一緒に食べたかったのに、一人で食べちゃった。
「スピカちゃん、ごめんね。一人でバクバク食べちゃって…」
「大丈夫ですよ!私はお姉さんの食べてる姿見れて嬉しかったです!」
スピカちゃん優しすぎる…
流石ヒロインって感じもするけど、この子自身が優しいんだろうね。
「スピカちゃん、私着替えてくるね。」
パジャマ姿で食べちゃったから、早く着替えなくちゃ。
「わかりました!」
私は急いで自分の部屋へ戻り、着替えを済ませた。
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