お勧めの作品です

  • ★★★ Excellent!!!

【それは、天上の白き宝石と呼ばれていた。】
このフレーズから、一体どんな物語を紡ぐことができるだろうか。
県立大道工業高等学校・映像文化研究部に所属する5人、偉丈夫、仏頂面、メガネ、愛想良し、ハンサムは、流暢に物語を構築していく。
様々な作品等を引き合いに出して、テンポよく物語を創造していくその様は、読んでいてとても心地が良い。
また語り手が所謂第三者なので、臨場感を肌で感じることができるだろう。
そして、登場人物皆感情を言葉にのせて言葉を発するため、セリフに気迫が宿っている。

その作品のネタが分かると、この小説をより面白く読めるだろう。
色々と出てくるので、自分の知識と照らし合わせながら読んでみて欲しい。

「あるいは男子高校生たちのどこか偏っている部活風景」において、ひとつ考えさせられる話題がある。
それは王道や様式美、所謂テンプレートの良し悪しについてだ。
一度自分の立場を明らかにして読んでみよう。
ひとつの考えとして、登場人物たちがそれに対して答えている。
きっと読者の見聞を広めてくれるはずだ。