第3話「攻撃と休息」

 ドカーン!ドカーン!

 ベリトの指示で伏せる、フォカス、フォラス、愛梨の3人。

 すると、爆弾が落ちてきて、後方に落ちていった。

「主様、ご無事ですか?」

 愛梨を抱き寄せ、声を掛けるベリト。

「ええ、大丈夫よ。それより、フォカスとフォラスは?」

 キョロキョロと探すと、後ろに伏せていたフォカスとフォラス。

「フォカスくんとフォラスくんは、主様を守ってください!私は戦います」

「そんなの、危ないよ」

「そーだよ、そーだよ!」

 心配そうなフォカスとフォラス。

「大丈夫だよ」

 スっと立ち上がる愛梨。

「主様?」

「我は汝を召喚する。此処に、悪魔との契約により、ベリトの力を解放せよ」

「有難うございます。行ってきます!」

 ベリトの契約した悪魔は速度を上げるものであり、愛梨に挨拶をするとあっという間に爆撃を放つ相手国の兵士を倒していくのだった。

「主様」

 あっという間に勝利し、愛梨の元に戻ってくるベリト。

「ベリト、お疲れ様。強いんだね。凄いね!」

 ベリトに微笑む愛梨。

「いえ、そんな事有りませんよ。それに本気では有りませんし。それに、主様に怪我がないのが一番です。」

 そう話をし、愛梨に寄り添い守るベリト。

「フォカスくん、フォラスくん主様を守ってくれて有難うございます。」

「ううん、ボク達傍に居ただけだけど……」

 微笑みながらベリトに話すフォカスとフォラス。

「それでも、敵が近づかないように傍に居たんですから。有難うございます。」

 更にフォカスとフォラスにお礼を言うベリト。

「フォカス、フォラス、怪我はしてねぇか?」

 戦闘が終わったのを知り、声をかけ、回復魔法を掛けるザガン。

「ごめんなさい……。」

 シュンとするフォカスとフォラス。

「謝らなくて良いんだぜ?勝利するなんて凄いじゃねぇか!」

「あ、有難う。」

 回復を終え、立ち上がるフォカスとフォラス。

「傷が無くなったぁ~」

 嬉しそうに話すフォカスとフォラス。

「よかったね!」

 フォカスとフォラスを見て微笑む愛梨。

「うん!」

 嬉しそうに微笑むフォカスとフォラス。

「ザガンさん、気にしてくれて有難う」

「気にしないでくださいっす、主様」

 二カッと愛梨に微笑みかけるアイム。

「これで全員倒しましたし、お城に戻りましょう主様。俺、ベリトさん呼んできます」

「有難うザガン」

「主様」

 数分後、ザガンに呼ばれてやってくるベリト。

「あら、ベリト。どうしたの?」

「戦闘も終了しましたので、馬車の迎えを用意致しました。お城に戻りましょう、主様。」

「有難う、ベリト。」

 ベリトに声を掛け、ベリトの手を取ると、みんなで馬車に戻る愛梨。

【馬車の中】

「主様」

「どうしたの?ベリト」

「いえ、先程までの戦闘でお疲れでしょうから宜しければ。」

 そうベリトが告げると、とても綺麗なティーカップセットを取り出し、紅茶を淹れ始める。

「綺麗なカップのセットね。」

 嬉しそうにベリトの行動を眺める愛梨。

「主様が喜んでくれて何よりです。これは:コレクションの一部なのですよ。ですが、主様に喜んで頂きたく始めたコレクションですので、お気になさらず見てください。あとは私のコレクション部屋に、ほかのティーカップセットや茶葉、お皿などが置いてあります。料理人のザガンくんはよく食器を取りに来ますね。主様の食事に使いたいから。と。」

「そうなのね、ありがとう皆。」

 そう話しながら、紅茶を愛梨に注ぎ、移動中のデザートを渡すベリト。その様子を見ている愛梨。

「主様?」

 顔を覗き込むベリト。

「わ!どうしたの?」

 吃驚する愛梨。

「ザガンくんが馬車を運転し、お城にこれから帰れるようです。このまま時間を掛けてお城に着くと思われますので、主様は安心してお寛ぎくださいませ」

 ガラガラガラガラ...

 馬車を走らせ、2時間後。

「お城に着きましたよ、主様。お手をどうぞ。」

「有難う」

 差し出されたベリトの手を取り、馬車から降りる愛梨。

「主様、どうされますか?お部屋で休まれますか?」

「あー...ううん。皆さえ良ければ、私、皆と一緒にいたい。」

「畏まりました。では、こちらへどうぞ」

 愛梨の手を掴んだまま、リビングへと案内するベリト。


【リビング】

「あ、ベリトさん!それに主様も!どうされたんですか?」

「私がみんなと一緒に居たいからって、ベリトに連れて来てもらったの。」

「嗚呼、そうだったんですね。では、主様、此方にどうぞ」

主である愛梨の手を取り、席へと案内するベリト。

「じゃあボク隣に座るー」

ちゃっかり隣に座ろうとするフォカス。

「行けませんよ、フォカス。主様は休憩のお時間なんですから。ゆっくりしていてくださいね、主様。そうです!主様、カモミールはお好きですか?」

「カモミール?あの紅茶の?」

「はい、そうですよ。カモミールティーは美味しいですよね.ねぇ、ベリトさん」

「はい、そうですねフォラスくん。ストレス緩和にいいとされています。主様、よろしかったらカモミールティー如何でしょうか?」

「カモミールは私の世界にもあるのよ。ハーブティーよね。ミルクティーにすると美味しいの」

「そうなんですね。私達の世界でもミルクティーは美味しいと思われます。お疲れでしょうし、如何でしょうか?」

「いただこうかな」

ベリトの提案に微笑む愛梨。

「承知致しました、暫くお待ち下さいね。」

その場を離れ、カモミールティーを作りに行くベリト。

「お待たせ致しました。飲みやすいようにミルクティーに致しました」

「有難う。」

戻ってきたベリトからティーカップを受け取り、微笑む愛梨。

「いえいえ。私達の世界を救って下さる愛梨様だからこそ、私たちに出来ることで尽くしたいと思っているだけですので。お気になさらず」

そう言い、ニッコリと微笑みを愛梨に向けるベリト。

「そう言えば…」

「はい、どう致しましたか?」

愛梨の言葉に耳を傾け、愛梨野言葉を聞こうとするベリト野言葉を聞き、同じように待つ皆。

「あ、いいえ。友達が来ていないかと思って」

気にしていたことをベリトに言うと紅茶を一口啜る愛梨。

「ご学友の方ですか?」

「ええ」

「同じ学校の方ですか?」

「そうね、制服は何故か違うのだけれど…同じ学校よ。名前は、喜代子きよこと言うの。」

「喜代子様…ですか。承知致しました。お写真か何かお持ちでしょうか?」

「ええ、あるわ。これを」

一枚の写真をベリトに手渡す愛梨。そこには、愛梨と喜代子が仲良く学校前の校門で写真を取ったものが見て取れる。

「畏まりました。捜索致します。他の執事たちにも声をかけてみましょうね、誰か目撃されて居るかも知れません」

写真を見るのをやめて、柔らかく愛梨に微笑みを向け、安心させようとするベリト。

「有難う、ベリト。待っててね、喜代子見つけてみせるからね」

少し安心したのかベリトにお礼を言って微笑むと、写真の喜代子に向かって誓う愛梨。

喜代子の捜索を決めてから数日がたったある日の執務室。

「ベリトさーん、全員集合なんてどうしたンすか?」

そう声を発したのは、普段調理担当しているザガンだった。

そしてその声を機に、そう言えばとざわざわし始める一同。

「主様になんかあったの!?え?え?ボクたち…」

ザガンの言葉をきっかけに混乱する、フォラスとフォカス。

「いえいえ、そうではありませんよ。主様関係なのは間違いありませんが。皆様、着席してください。お配りしたいものが有ります」

「わ、わかりました……」

オドオドしながらざわざわと着席していく一同。

あるプリントを配っていくベリト。

「ベリトさん、これは…?」

「主様のお友達の方の特徴や、服装をまとめてみました。これで見つかるといいのですが…」

「この方が……」

配布されたプリントを確認する一同。

「んー…?……あっ!!」

配布されたプリントを覗き込み声をあげるフォカス。





































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その執事、『悪魔』 櫻 愛梨 @Eri_story

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