「何もかもギリギリ」…リィドウォルはそう言っていますが、まさしくです。しかもザクバラに限った話ではなく、です。
セルフィーネの痛ましい姿を目にする事が出来たカウティス。この描写を見るに、離れたザクバラを見る事が出来たのは、聖紋があったからこそなんだなと腑に落ちました。
イスタークに急ぎ会いたいと話すカウティスの意図が、彼に帯同してザクバラに向かう事なのか、それとも聖紋に関する事、或いはセルフィーネを聖職者にする事なのか…現段階では候補が多過ぎて絞り切れないのですが、日の出の鐘と共に太陽を見つめるカウティスの姿に、決意の堅さが垣間見えてこれ以上なく頼もしい反面…どうしても詛の影響が頭をよぎってしまいます。セルフィーネを救いたい思いが先走ってしまわないと良いのですが…。
一方のザクバラでは、王が遂にセルフィーネを引っ張り出してしまいましたね…狂気に身を堕とした彼にセルフィーネが出会う…これが怖かったんですよ、ずっと。
ただのいち読み手でしかない私でさえも危機感を覚えるこの状況。来るかもしれないと分かっていて、それでも進まざるを得なかったリィドウォルを思えば、やはりその不憫さが哀れで仕方ないのですが…それはそれとして、王が狂気に身を委ねてしまえば、タージュリヤ派との対立も、王が水の精霊を求めてしまう事だって分かっていたはずです。そうなった時、抗う術がない事も。
リィドウォルにはやはり、事が大きくなってしまう前に別の選択肢を選んで欲しかった…悔しく思わずにはいられません。
セルフィーネを物のごとく杖で突く王。伴ってただれていくセルフィーネの描写があまりに痛々しくて、もう読み進めるの、結構しんどかったですよ…。醜悪な容姿を晒しながらも、傷付いた彼女を逆に醜悪だと言い切る王がとにかく恐ろしく、いよいよ人間を捨ててしまいそうな予感しかしません。
幸まる様というお人は、ここで更に絶望を重ねてきますか…。王が感じ取った朝露の清々しいセルフィーネの香り。彼女に、カウティスの中に眠る詛を確信付けてしまうこの残酷さに、ちょっと全身鳥肌でした。セルフィーネにしてみれば、愛するカウティスが、眼前の狂王の様な変貌を遂げる可能性が示されたわけで…ここにきて彼女に重ねられる辛苦の重さが、ただただ痛いです。
もう随分と同じ気持ちで明日を迎えています。どうか、明日の更新は少しでも光明があります様に…!
そして…私の勘違いにお付き合いいただき、ありがとうございました。ご指摘いただいてから、件の大臣の時には随分と申し訳ない気持ちになったものだったなぁ…とようやく思い出した次第です。なので訂正です。幸まる様が10、私が4…これでいきましょう!(笑)
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
そう、どこもかしこもギリギリです。
聖紋によって繋がっている二人。仰る通り、それによって僅かに繋がることが出来ました。
カウティスがイスタークに会う理由とは…。彼は既に決意を固めました。
ザクバラ国では、王がセルフィーネを召し出しました。王が目覚め、狂気を表し始めた時点で、いつかあり得る事でしたが、詛に蝕まれ始めているリィドウォルには、狭まった道を進むしかありませんでした。
壊されていくセルフィーネ。読み進めるのがしんどいと感じさせて申し訳ないです…。
『ここで更に絶望を重ねてきますか…』
こう書かれて、あ、確かに酷いな…と思いました(汗)。ヒロインなのにな…。
ただ、セルフィーネはまだ“詛=香り”とは繋がっていません。ですので、彼女の絶望はまだこの先…モゴモゴ…。
…………何だか対比で私が10と言われるのが分かってきたような…(笑)。
しかし、待て待てぇい!10対4はおかしいでしょう!ここは10対8くらいで譲歩致します…。くっ。
さて、そろそろ一筋の光が欲しいところです。
次話、少々長めの一話になりますが、お楽しみ頂ければ嬉しいです。
ありがとうございました!
ザクバラ、崩壊しそうですね。
国王が狂っているが故に誰も制御できず、リィドウォルもまた呪いに囚われている。
破滅しか見えないけど、これ、救いがあるのだろうかと思いながら見ています。
次はここにイスタークがどうやって絡んでくるのか、でしょうか。
いずれにせよまだまだ困難がつきまといますね。竜人の話も片付いていないし。
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
破滅に向けて、一直線のザクバラ国です。
…書いている時は思っていなかったのですが、改めて読み返すと、かなり痛めつけたなぁと自分でも思います(笑)。
イスタークのザクバラ国行きが決定し、彼もまた物語の最終に向けて絡んできます。
暗く困難な展開が続きますが、この先もお楽しみ頂ければ幸いです。
ありがとうございました!