読後に深い溜め息です…タイトルからしてもう良くない展開なのは分かっていましたけれど、それにしても、これはあまりにもむごい展開です…。
ザクバラの急な軟化は、やはりネイクーンにとっては不審の種でしかありません。それを「何もないはずはない」と看過せず、家臣達と対策を練るエルノートが頼もしいですが…残念ながら、この時点では隣国の真意など分かりません。結局、警戒に留まってしまう事がとにかくもどかしいですね…。
一方のセルフィーネは、三国共有を繰り返した事もあって、より人間に対する理解が深まっていますね。「民が笑っていられるのが一番だから」…この言葉を読んだ時、精霊を通り越して女神に近い存在にまで近づいてきたなぁ…と、彼女の中から生まれた慈愛に嬉しくなったのですが…この後が本当に…もう…。
展開で言うなら、未来を想像しながら民を観察していたセルフィーネの純粋な気持ちに、カウティスが思わず喜ぶ場面。ここも本来なら、浮かれるカウティスの様子を心から微笑ましく思えるところなんです。本来なら、ですが。
…「ひとときの幸福」とは、なんと残酷なタイトルなんでしょう。平和だったネイクーンの杞憂は現実になり、分け隔てなく民達を思うセルフィーネの想いは踏みにじられ、彼女に倣って決意を新たにしたカウティスも、リィドウォルの奸計を知る由もありません。文字通り、様々な形の幸福は一瞬で終わり、事態が一気に悪い方へと傾いてしまいました。
それでも…私は、リィドウォルの不器用で全てを背負うやり方が、悲しくて仕方ありません。この選択しかない彼が不憫でならないんです。まぁ…事ここに及んでしまえば、どうしても強攻策に出ざるを得ないのは分かるんですけどね…彼が幸せになる日は来ないんでしょうか。その心中を思えば思うほど、ただ、辛いです。
いよいよ息詰まる展開に拍車がかかってきましたが…この物語がハッピーエンドだという事を、私は知っています。現状、その片鱗はこれっぽっちも見えやしないのですが(笑)、きっとまた予想だにしない展開が待っているんでしょうね…。
更新、覚悟を決めて待ちます。
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
警戒を強めるエルノートですが、実際情報も少なく、大きく動くことはできません。
カウティスに至っては、地方で別の取り組みに従事しているわけですから、ここではまだ懸念しているに留まっています。
タイトルに残酷さを感じて下さったようですが、まさしく、このひとときの幸福を経ての、転落、としたかったので、こう言うのも変ですがありがとうございます。
不器用なリィドウォル。
この方法で進み、事を成して共に沈むこと以外は見ていません。悲しいことですね…。
彼がこの後どうなっていくのか…、最終局面に向けて、毎話読後に溜め息をつかせて申し訳ありませんが、続けてお楽しみ頂ければ幸いです。
ありがとうございました!
ようやく正体を表しましたね
さて他の二国が動くまでに浄化ができる腹積りがあるのか?
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
とうとう強硬手段に出たリィドウォルです。
二国が動くまでに浄化させる考えですが、考え通り事が運ぶとは限りませんよね…。
彼の行く末も含め、続けてお楽しみ頂ければ嬉しいです。
ありがとうございました!