いやいやいやいや…戦慄です。タイトルからちょっと不安に思いながら読み始めたのですが、この展開は全く予想していませんでした。不穏とかきな臭いとかいうレベルの話じゃなくなってきましたよ…冒頭の甘々が何にも心に響かないのは初めてです。それほどの衝撃でした。
王の回復を願うリィドウォルとタージュリヤですが、タージュリヤは王から譲位して貰う為、そしてリィドウォルは表向きには彼女に力を貸しながらも、自身の魔眼を恐れず接してくれた王を詛から解き放つ為…と、その目的は同じ様で少し違っていました。
ですが、詛によって正気を失ってしまっている王をそのままにしておけない…という一点に於いて、二人の意見は一致していたんです。つまりこれは、王が意識を取り戻し、復権してしまうのが、ザクバラにとっていかに良くない事態なのかを暗に物語っているんです。
これまでの展開では、もう王の命は風前の灯火の様に感じていました。なので、セルフィーネがもたらした浄化の作用がどれほどまでに強くても、注意すべきはリィドウォルのみだと勝手に思い込んでいました。
それが、まさか王自らが執政に復帰しようとするとは…しかも、あろうことか詛の発端でもある竜人の血の残りをも口にしたという、おぞまし過ぎる描写…言葉を失うってこういう時を指すんですね。同時に、ここに至るまで、手段を選ばず一心不乱にやってきたリィドウォルの献身が水の泡にもなったわけで…彼はどこまで報われないんでしょう。哀れというよりは、素直に可哀想とさえ思えてきています。
…ただ、詛に屈服してしまっている自身の不甲斐なさに心を痛めた王が、せめて意識があるうちに…と、状況の好転を願って血を口にしたのだとしたら、それはこの展開で唯一の光明ですし、リィドウォルにかけた声色の優しさが、かつての彼を彷彿とさせているのも頷けます。残念ながら、あの安定もいつまで保つのかは分かりませんけれど。
ネイクーンパートと同一の物語とは思えないほどの、重くて苦しい雰囲気。もうだんだんと、こうやってぐわんぐわんさせられるのにも慣れてきましたし、むしろこうでなくては!と思ってしまっている自分さえいますが…いかなザクバラと言えども、人の集う国。どうかその運命に、少しでも希望がある事を願います。
作者からの返信
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
前半の甘々すら吹っ飛ばす、ザクバラ国の一場面。
ザクバラ国は、ホラーなのです…(私の中で)。
リィドウォルとタージュリヤの最終的な望みは分かれていますが、国王を救いたい気持ちは確かに似たものであります。ですが、ここにきて国王本人が動き出すとなると、二人の目指すものから覆されてしまうかも…。
果たして、待居様が想像してくださったように状況の好転を目指して王が動いたのかどうか…。
ザクバラ国の重苦しい雰囲気が、どこまで膨らんで何を飲み込むのか。
引き続きぐわんぐわんして頂きながら、お楽しみ頂ければ嬉しいです!(笑)
ありがとうございました!
こんばんは。
こここ、怖〜!
ホラーです。
リィドウォルと一緒に読者も真っ青です。
もう、何がどうなるやら、わかりません。(;´∀`)
作者からの返信
おはようございます。
続けて読んで下さってありがとうございます。コメントも嬉しいです。
『こここ、怖〜!』
リィドウォルと共に真っ青になって下さって、ありがとうございます(笑)。
ザクバラ国は、ホラーなのです(私の中で)。更にホラー味を増していきます…。
この国の淀みが何をどう飲み込んでいくのか、続けてお楽しみ(?)頂ければ嬉しいです。
ありがとうございました!