そして しゅうち ぷれい は はじまった
「おはようございます」
挨拶は大事だ。向こうからやって来る人の姿を認め発した声が朝の様々な音に混じる。それは雀の鳴き声だったり、自転車のペダルを漕ぐ誰かが立てた音だったり、車道を行きかう車のエンジン音だったり。
「ああ、おは」
挨拶を返そうとした気のよさそうなオッサンが途中で言葉を失う。これで何度目だろうか。
「おはようございます」
機能を停止したご近所のオッサンが再起動を果たす前にしれっと挨拶をして横を通り過ぎる。そんな僕の隣には、完全体の痴女先輩。ブラウスのボタンは相変わらず上半分が一個も止まってないわ布地はぱっつんぱっつんだわ胸元は全開を通り越してちょっと一応はとめてある下の部分のボタンまで千切れ跳びませんかねってなっている。
痴女先輩の名に恥じず痴女で、二度見三度見が当たり前なほどにおっぱいは大きい。
こう、前世で胸の大きさ故にネットの記事になってた人と比べると一応10㎝前後は小さいバストサイズの筈だし、前世を含めていいなら僕が記憶する最大クラスの胸囲はテレビに出てた人で2mを超えてたと思う。
だが、逆に言うなら胸が大きいというだけで記事になったりテレビに出演したりするレベルに足を踏み入れかけているという訳で、目立たない筈がない。
「学校、サボれば良かった」
なんて生徒会長である先輩の前ではとても言えないが、今の痴女先輩と歩くというのは、僕の精神面をそんな言葉が飛び出しそうになるほどにゴリゴリと摩耗させていた。
尚、ここで何故痴女先輩自身は平気なんだろうと考えてはいけない。痴女先輩だし、そもそもこの格好で自宅から僕の家の前まで普通にやってきているのだから。
「……先輩、その制服ですけど授業終わるまで耐つんですか?」
はちきれて完全体が解放されるんじゃないか的な意味でも気が気でない僕はつい尋ねてしまうのだけれども。
「私にもわからないことはあるよ、竹痴君。まぁとは言うものの、部室に行けば裁縫道具はそろっていると思うのでね。学校まで耐てばやりようはある。そこは安心してくれ」
「安心……できますかねぇ?」
もう今の時点で突き刺さる通行人の視線の流れ弾ガスガス当たっている僕の視線はどうしても遠くならざるを得なかった。
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と言う訳で、竹痴君は学校に着く前から謎の精神修行になってる模様。
追伸:ブラウスを普通のセーラー服と構造面で混同していたようなので前話部分から描写に修正入れてます。前で合わせてボタンで留める構造なので千切れる布地部分がなかった件。
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