そして翌日
「やあ、おはよう竹痴君。今日は修学旅行がおわったばかりだからか生徒会の仕事もなくてね」
一緒に登校しようと思って来たんだと当たり前のように僕の家に現れた痴女先輩を見て、僕は自分の失敗にようやく気付いた。
「先輩、それ……」
「ああ、閉まらなくなってしまったんだ。と言うか、これでも結構きついんだが」
痴女先輩のブラウスは上半分のボタンが一つとして止まっておらず、胸元は大きくはだけ、だというのに布地はぱっつんぱっつんで今にも断末魔をあげそうに見える。
「凄いな、あの『豊胸の実』だったか? ここまで大きくなるなんて私も予想外だった」
そう、痴女先輩にあの身を食べさせたらバストサイズが130㎝に迫る完全体になってしまうことを僕は知っていた筈なのに、それを失念していたのだ。
「あぁ……」
食べさせるなら、せめて翌日の登校がない金曜日にすべきだった。胸の成長というか膨張に制服が対応できないことなんてすぐ思い至るべきだった。
「先輩、ひょっとしますけど、そのまま登校するおつもりですか?」
「流石に生徒会長が私服で登校するわけにもいかないだろう? まあ、その私服も胸の部分が裂けたりボタンが飛んでしまってこれと似たり寄ったりだったんだが」
ついでに言うなら痴女先輩の制服はもともと特注サイズであったそうで、新しい胸囲に合わせた制服を作るとなると大急ぎで作って貰っても数日は確実にかかるだろうとのこと。
「下着も全滅でね」
「うわぁ」
つまりノーブラですか、そうですか。
「先輩、せめて胸の部分にバスタオルを巻くとかどうでしょう?」
衆人の目に触れさせるのは拙いのではと思い、そう提案してみるも。
「竹痴君、ここまで私は普通に歩いてきた。今更ではないだろうか?」
言葉の形で爆弾を投げ込まれた僕は頭を抱えたのだった。
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そんな、痴女先輩が完全体になってしまうだなんて!?
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