そして翌日
「ふぁ」
僕は眠い目をこすりつつ身体を起こした。
「……朝だ」
カーテンの切れ目からは陽光の切れ端が室内に差し込んできて白系統の壁紙に突き刺さって折れ曲がっている。
「結局のところ、妙案は出なかったなぁ」
泊まらせるわけにも夕食を食べて行かせるわけにもゆかず、結局先輩とはいつものように乳繰り合った上で暗くなる前に帰宅の途について貰った。
「幸いにも知られて困ることが漏れることだけはなかったわけだけど」
良いアイデアが出なかったという意味で今直面してる問題の解決には進展もなく。用も痴女先輩は僕の家に来ることになった。
「先延ばし」
それ以外の言いようもない状況だが、今日を過ごすうちに良いアイデアが浮かぶと信じたい。
「まぁ、それはそれとして、起きないと」
ただでさえ注目されるのは避けたい今、遅刻なんてシャレにならない。昨日だって何とか無事に乗り切れたんだ。
「漫画なんかだとこのタイミングで痴女先輩がトンデモナイモノを忘れてったりしたことに気づいて思わず大声をあげたりするハメになったりもしそうだけど」
流石にそんなベタな展開が現実に転がっている筈もない。あるのは痴女先輩が必要になるかもしれないと言って置いて行った予備のブラジャーくらいだ。
「昨日はこう、『どういう必要だ』ってツッコんだっけ」
それにしても痴女先輩の持ち物だけあってそれは大きかった。おそらくは特注品だろう。中学の生徒はおろか成人女性でもなかなか見かけないサイズなのだから。
「裁縫技術で何とかしようって考えるのも納得できるというか」
それはそれとして、痴女先輩は本気で僕のブラジャーとやらを用意するつもりなのだろうか。
「冗談だと思いたいけれど」
あの入れ込み具合を鑑みると笑い飛ばしていいものか。
「……じゃないよ!」
何故ブラジャー置いて行ってるんだあの先輩。
「と言うか、何でとめなかったの、僕!」
思わず自己ツッコミしてしまうが、理由は凡そ理解できていた。僕が瞑想の方に意識を傾けていたタイミングだったからだ。
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更新できるか不明二日目。
と言う訳で短めです。
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