痴女先輩の返答
「家庭科部だよ」
痴女先輩から返ってきたのは、そんな答えだった。
「文化部なんですね」
「運動部だと思ったかい? 運動も苦手ではないけれどね」
意外そうな僕に先輩は自分の大きなおっぱいを示す。
「これが大きくなって下着を買い直す機会が増えたのだが、運動部だと更に負荷がかかってしまうのだよ。買い直す前の少し小さいサイズを無理に使っている時に体育の時間以外での運動は避けたかったというのが、文化部を選んだ理由だ」
「あぁ」
言われてみれば納得でもある。
「ついでに家庭科部なら裁縫関連で小さな下着の手直しなども出来ないかと考えたのだが、こちらは少々裁縫を甘く見ていた」
「と言いますと?」
「純粋に技術力の不足だ。生徒会の仕事もあって裁縫技術の向上だけに時間を割けないというのもあるが、これは言い訳になってしまうな」
自嘲気味に頭を振る痴女先輩だが、これで裁縫技術まで既製品を手直しできるレベルだと、変態でなければ完璧超人過ぎるのでやむ無しなのではないだろうかと割と失礼なことを考える。
「すまない、竹痴君のブラジャーを用意できるようになるのはもっと先のことになりそうだ」
「いりませんよ、そんなの!」
どこまで本気かはわからないが僕は反射的に叫んで。
「しかし、家庭科部となると入部のハードルはそこそこ高めですね」
うちの中学は部活の兼任や転入は公的に認められている為、非現実的と言う訳ではないが、これまでの僕のキャラ的に唐突に転入すると不自然極まりないのだ。
「僕も体型がこうですから運動部よりは文化部ではあるんですが」
ちなみに現在僕が所属しているのは魔法研究会と言う同好会になる。所属する人数だけなら他の部を圧倒するのだが、魔法を習えるのが高校からの為に部への昇格は見送られているそうで、活動内容の方も大半は探索者が魔法を使う映像を見てカッコイイだのすげーだのと騒ぐ程度の緩く浅い活動内容となっている。
「ふむ、竹痴君は魔法研究会だったのか。なら、私がそちらに転入して『瞑想』の名目で二人一緒になれば」
「一発で研究会内に広まりますね、僕たちの関係が」
正しいか正しくないかは別として。
「だが、後ろ指さされることなく二人っきりに――」
「やってることがバレたら後ろ指さされるどころでは済みませんよね?」
おそらくは欲望ありきでの提案なのだろう、だが、どう考えても失敗する未来しか見えなかった。
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と言った感じですが、竹痴君は所属してるものの実際は帰宅部同然です。
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