おまけ

※おまけなので読まなくても大丈夫です。

 番太と浪人シリーズで出てきた各単語やら、各話777文字チャレンジをしていたので端折って書ききれてないちょっとした補足やら設定やら……。



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■登場人物

小太郎こたろう

 小柄なことを気にしている、声がでかい木戸番。モテない。

 面倒見がよく、手先は割と器用だがセンスがない。昌良との呑みの肴は彼が用意するか、或いは彼が屋台に赴いて揃えることが多い。

 彼の管理する木戸のそばは長屋がわずかにあるばかり、騒ぎも事件もないし、夜間の人通りも奇跡的に多くない。


酒田さかた昌良まさよし

 小太郎の管理する木戸の側にある貧乏長屋に住み着いた浪人者。上背もあり身体つきも良いので甲斐性無しのくせにそれなりにモテる。

 酒が大好きで食べるのも好き。手先は不器用な方。

 屋根の修理や火おこしは得意。料理は壊滅的だが、困っても小太郎がやってくれるのでまあいいかと思っている。



【お咲】

 花売りをしている娘。筋肉が好き、というより単純に小太郎が好みではないだけ。別に嫌いというわけでもない。

 絵をたしなむ兄がいる。

 (『番太・小太郎の恋話』『貸本に挟まれた騒動』)


【おみつ】

 煮売屋の看板娘。美人だが思い込みが激しく気性も荒いため、昌良は苦手にしている。

 (『いいわけ』)


又吉またきち

 近所に住む鳶職の男。お咲の好みの男その一。お咲にあれこれアプローチされているが、当人は気がついていないらしい。

 (『番太・小太郎の恋話』)


【きね姐さん】

 豆腐屋のおかみさん。お咲のお得意様。

 人は良いがお喋りで話題選びに遠慮がない。小太郎に頼まれてお咲の好みの男性を聞いた人。

 (『番太・小太郎の恋話』)


【おふさ】

 きっぷのいいおかみさん。旦那と娘と三人で近くの長屋に暮らしている。たまに小太郎に煮物を差し入れてくれる。

 (『縫い包み』)


【おきね】

 おふさの娘。人形遊びが好き。

 豆腐屋のきね姐さんとは同じ名前。

 小太郎にはなついているものの、昌良は大きいので怖いと思っている。

 (『縫い包み』)


明親あきちか

 名前は未出。昌良の友人(文字数の関係で名前に関する場所をざっくり削りました……)。

 腕のいいかんざし職人で、所帯持ち。昌良の金のなさ等々を知っており、度々ご飯を馳走している。目の前で人が腹を空かせていたら通り過ぎれない、お人好しがすぎるタイプ。

 (『夜半の酒妖怪』)



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■時代設定について

 安永年間想定(百鬼夜行の発行が安永五年なので)



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※以下は作中出てきた言葉について、メモ書きです。

※井田のゴリ押しおすすめが挟まるのでとても読みづらいです。


木戸番きどばん番太ばんた)】

 江戸時代は防犯等の理由から町の区画ごとに木戸が設置されてました。これを管理する番人、が『木戸番』や『番太』と呼ばれていました。

 ちなみにこの木戸、門限が決まっていて、一定の時刻になると閉まってしまいます。門限過ぎに出入りしたい時は木戸番が「いついつだれだれが通ったよ」「通ったのは◯人だよ」といった具合に記録して、潜戸くぐりどから通してあげたそうな。ほかにも色々やることはあれど、小太郎の木戸は暇なところだったという設定。


【浪人(牢人)】

 牢人はお取りつぶしだったりなんだったりで仕える主君のない武士。それが根無草のようになり、江戸時代から浮浪の民を表す「浪人」ともよぶようになったそう。

 牢人は武士としての身分こそないものの、苗字を名乗ったり、帯刀すること(侍と違って刀は二本ではなく一本だったそう)は許された人たちでした。

 江戸時代になるとそりゃあ増えたそうです。まあ平和だから、新規の働き口がなくなって、増えますよね。近松門左衛門やかの有名な首斬り浅右衛門こと山田浅右衛門も牢人でした。(浅右衛門といえば栗塚旭さんの浅右衛門がとてもかっこいいので、是非『吉宗評判記』をご覧ください)

 昌良も何処に仕えるわけもなくふらふらしています。


【上がりかまち

 住宅の玄関(三和土たたき)と居住区を隔てる段差のこと。現代でも過去でも家に上がりきらないでそこで対話を済ませるのが好きなだけです。私が。家だけど上がりきらないその場所が好き。


【図画 百鬼夜行】

 江戸時代中期の浮世絵師、鳥山とりやま石燕せきえんの代表作。色んな妖怪がチャーミングに描かれて紹介されています。今日の妖怪のイメージを作り上げたとも言われる素敵な画家さんの妖怪画、角川ソフィア文庫からお求めやすい価格で本が出てます! Kindle版もあるので持ち運びにも便利です。絵がめちゃくちゃかわいいのです。

 ちなみに『ろくろくび』に『飛頭蛮』の漢字が当てられててとてもびっくりしました。その発想はなかった。


【夜半】

 午前零時前後。木戸は当然閉まっています。通りたい人は木戸番小屋まで。


富籤とみくじ

 宝くじのようなもの。

 寺社奉行が金銭やりくりの為に実施していたのですが、長い歴史の間で禁止されたり復活したりしているのですが、安永年間は(場所を限定して)行われてたそうな。

 松竹梅だったり七福神だったりの区分+数字が書かれている木札を箱に入れ、混ぜてから百回ほど槍で突いてその結果によって賞金が出る仕組みです。

 富札(抽選用の札、どの番号か賭けるやつ)は一人でいくつ買ってもよかったそうなのですが、庶民にするとそれなりに高価だったりもしたので、それを長屋とか友人だとかで割り勘で買ってたそうな。

 宝くじは夢見るワクワク感を買うものですね。


貸本屋かしほんや

 江戸の本屋さん。

 江戸時代たくさん本が世に出ましたが、人がこれをどう読んだかと言えば、貸本屋さんがこれを背負って歩き回って、それを借りるのが一般的な読書の方法でした。◯日間お幾らヨ、といった感じです。年代が進むと、歩き回る貸本屋のほかに店を構える貸本屋も増えていきます。



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大体これくらいでしょうか……?

一旦以上、お付き合いありがとうございました!

参考文献は『夜珠あやかし手帖』『恨み屋 蒔田雨露亮』とも共通しているので後々まとめて近況ノートの方にあげようかなと思ってます。しばしお待ちくだされば幸いです。


また、上記誤った情報ありましたら、お気づきの時に突っ込んでいただければ幸いです。

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番太小太郎と浪人昌良のヲカシ話 井田いづ @Idacksoy

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