同居人

夏伐

どっきり

 最近の話だ。


 私が眠ろうと電気を消して横になる。

すると、部屋の中にあるデスクトップパソコンのキーボードがカタカタなる音がした。


 何かシャープペンで書いていた時、ペンタブレットを使った時、その時々でその音がした。


 壁が薄いので、そのせいかと思った。

 でも違うようだ。


 何かの話で、眠った後、その人の生霊が仕事をしている。その姿を何人かで見て、だが仕事が減っているわけではないというものがあった。

 が、私の場合は違う。


 だって眠ってないもの。

 音がしているときに確かめる勇気など私にはない。


 でも音だけだから問題ないよな、と思っていたがその音に慣れた所で、気になるものは気になる。

 ひとまず、キーボードの前に福笑いを置いてみた。


 次の日、福笑いの顔が綺麗に並べられていた。


 安いパズルを買ってきた。

 完成されていた。


 パズルのピースをどんどん多くした。

 どんなに多くても毎日コツコツと完成されていった。

 

 少しいたずらしてやろうと思い、全部のピースが白いパズルを置いてみた。

 根気強く完成されていく。

 う~ん。中々根性のある奴だ。


 特に思いつかなかったので、その次の日は液晶に猫画像を印刷して貼っておいた。

 色が薄くなっている部分があった。ネコのおでこの部分。撫でたのかな。


 案外お茶目な奴なんだな。

 そう思って、私は流行りの『人狼』というカードゲームを置いておいた。二千円くらいした奴。


 その日初めて金縛りにあった。

 耳元で何か聞こえる……。


「………できない」


 それで、私は理解した。



 翌日からは一人でできるゲームや何かを置いておくことにした。

 なるべくいじわるはしないでやろう。悪いやつじゃなさそうだ。

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