三月十六日の真夜中、千佳と梨花がいいわけをコラボさせた。

大創 淳

第七回 お題は「いいわけ」


 ――思いもしなかった、お題。


 それに、スマホの調子が悪かったのか、この度のお題がわかったのが、ついさっき。



 もう日付が変わって、三月十六日を迎えていた。そこからの執筆になる。PCも。更新を行っていたから。問答無用で。それでも、脳内は真っ白……


 いいわけと言ったら、梨花りかを連想する。ちょうど今時分だ。「ババーン!」と「ズズーン!」の弾む擬音。その元を辿れば他でもない、梨花のお部屋。手にしているのは……僕のぬいぐるみと、梨花の武装したプラモデル。「さあ、宇宙の平和を守るんだ」との台詞を高らかにし。僕と対面して「ち、千佳ちか? あっ、これはね……」と、何も言っていないのに弁解を始めた。でも、この間とは違って、


「大丈夫? 千佳が今見てる僕は、幻かもしれないよ」とか、言い始めたの。思いもしなかった弁解からの反撃? 幼い頃に戻ったような梨花が、急に変貌した。



 あの深夜の散歩で起きた出来事のように、いた筈の梨花が急に消えた事件。散歩どころか全力疾走で駆け抜けた末に、お家に辿り着いて「なあに? 千佳、そんなに泣いちゃって」と、迎え入れたのが梨花だっただけに、僕は「もう消えないよね?」とか言って、


 僕を見るなり……


「消えるって誰が? それに何? お顔だけじゃなく、下も濡らしちゃって」


「だって梨花が迎えに来てくれたと思ったら、急に消えるんだもん。真っ暗な夜道だったんだよ。それも女の子一人、ただでさえ怖かったのに、追いかけてきてその挙句……」


 と、あの後、そんなことがあったから。


 ……と、いうことで、下も濡らしちゃったことは、梨花は秘密にしてくれたの。一緒にお風呂に入ってくれて。一緒にお布団にも入ってくれたから。この二つのお題も、この度のお題で完結となるの。二つのいいわけは、二人の内緒話で、楽しい話題へと、流れる時は変えてくれる。いいわけも共有したら、楽しいお話になると思えるから。


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三月十六日の真夜中、千佳と梨花がいいわけをコラボさせた。 大創 淳 @jun-0824

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