第一世界 その後とまとめ
『よろしいですか』
「はい、世界」
私は、この世の理に挨拶をする。
移動喫茶は、地の果てまで歩き続ける訳ではない。
理に回収されて、新しい場所へ放り出される。
サイコロのように出た世界を、旅するのだ。もう何度目か思い出せないが、私には当たり前になっていた。
店の片付けが終わったあとに、今回の世界の振り返りと未来を見る。これぞ占い師という感じだ。
『今回はどうでしたか』
「1番気がかりなのが、地の国です。女王様の結果といい、不穏泣きがしてなりません」
『では、見てみましょうか』
ビジョンが早送りされる。
簡潔に言えば、地の国の王は討たれて、新王がたった。シルバーの鎧が似合う、騎士が映る。
「風の騎士が!?なぜそんなことが」
『あちらをご覧なさい』
私の店を去った、地の国の女王だ。覚悟を決めた表情で、風の国へと馬車を走らせる。風の女王は、快く迎え入れて、会合が開かれた。
情報の把握が早い風の国は、地の国の状況を知っていたようだ。泣き出す地の女王に、優しく背を撫でて、昇格試験が始まった。
「えっ」
『私たちは何も干渉出来ません。けれど、各々考えて動くのです』
風の女王は、騎士にアドバイスをする。
素直に受け止める騎士は、そういえばどちらかと言えば、風より堅実な、地に似ていた。
旗が立ち、国が動き始める。
走り始めた馬は、一直線に王座へ向かう。地の国の民は、歓声をあげた。
風の騎士がたどり着いた時にはもう、地の国の王は縛られていた。騎士は、誰にも咎められることも無く、王を討ったのだ。
「こんなことが……」
『世界は、回るのですよ』
視界が急に回転し始める。
『さぁ、参りますよ』
「はい」
私は、瞳を閉じて、騎士への歓声と、新王の姿を想った。
『解説』
各話の結果より。
ペンタクルキング:死神
ソードナイト:皇帝
ペンタクルクイーン:力
占い師フールの移動喫茶 空付 碧 @learine
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