異世界に転生したら、めんどくさい剣を渡されて魔王を倒してこいって言われた。平和のために俺様がこの勇者の剣で魔王を倒してやるよ。あ、別に元の世界に帰りたいとかじゃないからね?

行進12番

異世界に転生したら、めんどくさい剣を渡されて魔王を倒してこいって言われた。平和のために俺様がこの勇者の剣で魔王を倒してやるよ。あ、別に元の世界に帰りたいとかじゃないからね?

 ある異世界に、勇者として召喚された男がいた。彼には、普通の剣とは違う「いいわけのつるぎ」という勇者のけんが与えられていた。この剣には、勇者の意志を宿すことで、モンスターを倒すことができるという不思議な力があった。


 しかし、この剣は使い方を誤ると、その真の価値を発揮できない。その辺に落ちている棒っきれ以下の威力しか出なかった。


 そのため、勇者は各地で様々な冒険をすることで、剣の力を引き出すことを専念し、様々な言い訳を言いながら冒険をしていた。


「村の人を助けるため、モンスターを倒さなくてはならない」


 \しゃきーん/ 剣は するどさを増す!


「モンスターを倒さないと、今日泊まる宿が無い」


 \しゃきーん/ 剣は きれあじがあがる!


 ゆうしゃは あっちこっちを ぼうけん する。


 ある時、勇者は森の中で、巨大な魔物と出くわした。勇者は剣を抜き、魔物に向かって叫びながら剣を振りかざした。「この剣は、勇者の手によって磨かれた! 貴様には俺を倒す資格がない!」と叫びながら、勇者の剣は魔物を一撃で倒した。


 また、ある時は、洞窟でドラゴンと戦った。勇者は剣を構え、ドラゴンに向かって叫んだ。「この剣は、勇者の血と汗と涙で作り上げた! その力、見せてやるぜ!」と言いながら、勇者の剣はドラゴンを撃破した。


 そして、ついに勇者は魔王のいる城に辿り着いた。魔王は「何故私を倒すために来た?」と問いかけた。勇者は剣を構え、こう答えた。「この剣は、勇者の魂が宿った! そして、魔王を倒すために今ここにいる! 貴様が許されない行為をしたことを、私は許さない!」と言った。


 \しゃきーん/ いいわけ の つるぎ は いままでにみせたことない かがやき を みせる!


「グワアアアアアアアアアア」


 いいわけのつるぎが、魔王を切り裂き、魔王は光の彼方へ消えていった。


 こうして、勇者は魔王を討ち果たし、元の世界へ帰って行った。


 勇者の言い訳に満ちた冒険が、ついに完遂されたのである。

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異世界に転生したら、めんどくさい剣を渡されて魔王を倒してこいって言われた。平和のために俺様がこの勇者の剣で魔王を倒してやるよ。あ、別に元の世界に帰りたいとかじゃないからね? 行進12番 @march_no_shousetu

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