最終戦争 ~ 養護施設創業者VS元入所児童

与方藤士朗

プロローグ ~争点整理という名の前哨戦

第1話 その日に向けて 1 ~登場人物紹介

 2023年の年明け、1月9日(月祝)未明。

 ついに、両者は相まみえることとなった。


 対戦者の2名は、以下の通り(敬称略)。


森川一郎(故人。1890-1977)

 現在の岡山県備前市生。(旧制)私立関西中学(現在の関西高)卒。

 代用教員、外資系会社員、岡山県職員等を経て、養護施設よつ葉園の創立に参画。後に同園2代目園長(在任は1953-1971)。園長退任前より理事長兼務。

 岡山県の福祉・保育等に多大な貢献をした人物として知られている。


米河清治(1969-)

 現在の岡山県備前市生。(新制)国立O大学法学部卒。

 幼少期、家庭の事情で養護施設よつ葉園に過ごす(1975-1981)。その後は父方の叔父に引取られ、中高一貫校卒業後現役でO大学に進学し、卒業。

 塾講師等を経て、現在は会社役員を務めるとともに、作家としても活動中。


 彼らは、現世での接点はほとんどない。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 彼らの論争は、人呼んで「最終戦争」。

 幼少期に「孤児扱」されて養護施設に入所させられた元少年が、その施設の創業者にして中興の祖でもある2代目園長と、生死の境を超えて、互いの今生での養護施設よつ葉園という接点を通し、互いの人生観と経験を背に、夢世界での論争を行う。


 米河氏にとっては、さらに今生での自らの立ち位置を確固たるものにするための闘いである。これに対して森川氏にとっては、今生での過去を総括し、後進たちの未来へ導く道しるべを再構築するための闘いである。

 相互の思惑はともあれ、彼らは自らの言葉という武器をもって、闘うべくして闘うことと相成ったのである。


 ある意味この「最終戦争」は、かつて東京大学900番教室で行われ、後に映画化された「三島由紀夫VS東大全共闘」とある意味同じような構図の下、展開される。


・・・・・・・ ・・・・・ ・

 こちらが、「在来線」の乗換口です。

https://kakuyomu.jp/works/16816927861110029880

↑ 同床同夢 ~食堂車1979

https://kakuyomu.jp/works/16816927861110029880/episodes/16816927861110146394

↑ 第1話 同床同夢 ~ 食堂車1979

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