煌めきHeart!ジュエリーマギア
@murota
第1話 スーパーヒロイン誕生!? 変身、マギアルビー!
・キャラクター紹介
●
中学一年。
黒猫とコクヨウ博士に出会い、宝石を巡る戦いに巻き込まれていく。
「スーパーヒロイン」を目指す、天真爛漫な主人公。
■黒猫(アイちゃん)(♀)
キャッツアイの瞳の猫。
ほむらと出会った、宝石の鍵を握る存在。
特殊な教育を受けており、人の言葉を理解している。
※兼ね役(蒼葉かのん/娘/母/公園のお婆/各女子生徒/黒髪の少女)
★コクヨウ博士(♂)
宝石の研究をしている石博士。
元々は人間だったが、石化の呪いで石になっている。
ほむらを
※兼ね役(テレビ/モブ爺/各男子生徒)
◆フルメタル(♂)
「レイドストーン」を名乗る、自我を持った鋼鉄の怪物。
地中を移動し、ドリルの技を繰り出す。
石のパワーを使い、ほむらを翻弄する。
※兼ね役(謎の声、担任)
■
中学一年。
ほむらのクラスメイト。
しっかり者でお世話焼き。常識人。
黒猫と兼ね役。
--------------------------------------------------
役表4人(♂2:♀2)40分台本
♀赤石ほむら●:
♀黒猫■/他:
♂コクヨウ博士★/他:
♂フルメタル◆/他:
--------------------------------------------------
※役は記号検索でお願いします!
【変身のヒント♪】
変身バンクは、物語の状況を引きずらずに、敵のことなんか忘れて、楽しくポジティブハキハキに演じるとヴィクトリー!👍
★博士:
――……ハァ、ハァ……なんてことだ……。
私の、やってきたことは、全て間違いだったというのか……!
ぐぅ……時間がない、私はどうなっても構わんが、せめて!
■娘(8歳):
――ふわぁ……お父さ~ん? 夜なのにうるさいよ……。
……っ!?どうしたの、ケガ!? 血……!?
きゅ、救急車呼ばなきゃ!!
★博士:
安心しろ、たいした傷じゃない……。
それよりも、これを!
■娘:
え、これ……宝石?
お父さんがお仕事で使ってるやつ、だよね……なんで……!
★博士:
落ち着いて、よく聞くんだ……。
これを持って、すぐにこの家を離れなさい。なるだけ遠くにだ。
お父さんの口座番号は分かるね? ホテルでもなんでもいい。
とにかく、一人でここから離れた場所に身を隠すんだ。
■娘:
ちょ、ちょっとまってよ!
なにがなんだか……。
★博士:
…………実は研究でミスをしてしまってな、危ないガスが漏れてしまったんだ。だから家の中は危ない。先に脱出してくれ。
大丈夫。お父さんお金持ちだから、生活には困らないだけの貯金がある。
お前が心配することは何もないぞ。
■娘:
……わたしだけ? お父さんも来るんだよね?
★博士:
……お父さんは――――ここに残るよ。
■娘:
え、なんで!?!?
怪我したまんまだし、それに危ないガスなんでしょ!?
★博士:
そうだ、ガスを家の外に出すわけにはいかん。
もう一度研究室に戻って、それを止めてくる。
警察とかじゃダメだ。これは私にしかできないことなんだ……分かってくれるな?
■娘:
……ちゃんと戻ってくるよね?
★博士:
――――もちろんだ。
すぐには無理だが……何日かかるか分からないが……全部終わらせてお前を必ず迎えに行く。
辛いかもしれんが……今はその宝石を――『オニキス』を私だと思って、持って行ってくれ。
とても大事なものなんだ、その石も。お前も。
私の宝だ。
■娘:
お父さん……ぐすっ……。
★博士:
大丈夫だ……お前ならきっと大丈夫。
さ。行きなさい!
■娘:
――うんッ……絶対、迎えにきてね!! ッ――<駆けていく>
★博士:
…………強い子だ……愛しているよ――。
◆謎の声:
『――――茶番は終わったカ? 可愛い娘を騙しテ、心が痛まないカ?』
★博士:
…………ああ、私の自慢の娘だ。
人ではない貴様なんぞに、言われる筋合いは無い……!
グッ……<脇腹が灰色に変色し、ヒビが入っている>
◆謎の声:
『――――では、もうこの世界に未練はないナ』
★博士:
……ハァ、ハァ……私の仕事は、まだ残っている。
私自身が撒いた種を、ガハッ……全て刈り取ることだ……!
◆謎の声:
『――何が出来るだト?。
娘に格好つけテ、止めるだとカ、抜かしていたナ?
今のオマエにハ、何も為せなイ。
我を止めることモ――そして最愛の娘を救うことすらナ』
★博士:
このままでは、終わらんぞ……私、は……め――の―ヲ――。
<身体が徐々に灰色になり、石化していく>
◆謎の声:
『――――哀れな創造主ヨ。物言わぬ石となるがいイ――!』
★博士:
――――。<完全に石像になる>
◆謎の声:
『――――邪魔モノは消えタ!であるならバ。
次に滅ぼすべきハ、たったひとツ――!!
特別である我ら「レイドストーン」が世界ヲ――支配すル――!!!』
―――
――
―
★テレビ(ニュースキャスター)
『――このように、全国各地で人型の石像が発見されるという事件が相次いでいます。石像のモデルと思われる人物は、いずれも消息を絶ち、未だ行方不明であるとのことです。
また、石像付近で怪しい恰好をした人影を見たとの目撃情報が多数寄せられており、警察はその人物と今回の事件との関連性を強め、調査を進めて――』
■母:
最近は物騒な事件が多いわね~、ウチの子は大丈夫かしら。
●ほむら:
――ママァァア~~~~!!!
時間!!学校初日に遅刻しちゃうよ~~!なんで起こしてくれなかったのぉ!!
■母:
はぁ、起こしに行ったわよぉー3回も!
自分で起きれるからーって言ったのアンタじゃない~!
●ほむら:
叩き起こしてよー!
中学生だよ!? 新一年生だよ!? 新しいクラスなんだよ!?
中学デビュー失敗したら、ぼっちになっちゃうよー!
■母:
知らないわよ、もう13歳になるんだから自分でなんとかしなさい~。
明日からお母さん、起こしてあげないからね~!
●ほむら:
まだ13じゃないよーだ!誕生日まだ2ヶ月先です~!
■母:
屁理屈言わないの!
そんなことよりあんた!おバカなんだから、登校中に誰かに話しかけられてもホイホイついて行っちゃダメだからね~!
最近は、誘拐事件?みたいなのも増えて大変なんだから……何かあったらすぐ叫ぶのよ?警察の電話番号分かる?防犯ブザー持ってこようか?
●ほむら:
いいよも~~~!いってきまーす!!
■母:
いってらっしゃ~い!
……はぁ、心配だわ。元気に育ってくれたのはいいけど。
あの子、興味持ったら他が見えなくなっちゃうから。
…………野良猫とか拾ってこなきゃいいけど。
――あら?……あの子ッ、お弁当忘れてるじゃないの~~!!
まったくもう……。
≪通学路≫
●ほむら:
遅刻する~~~!!
くぅーー……うなれ、私の両足!!
秘技!ウサギンボルト・ダ~~~~シュ!!!
★モブ爺:
ぬぅ!? ほげぇええ!ピンクのしましま~~!!
<風圧で吹き飛んでいく>
●ほむら:
おじいちゃん、ごめ~~~~~ん!!!
●ほむらN:
足を360度回転させる勢いで走っているのが、この私、
花の中学生になる予定の女の子です!
特技は運動と応援合戦、好きなものは――――正義のヒロイン!
夢はもちろん、スーパーヒロインになって世界の平和を守ること!
ママからは、おバカっていつも言われるけど、私は至って本気なのです!
だって私の憧れる正義のヒロインは、本当にいるから……!
これは私だけが知っている秘密です!
■公園のお婆:
おはよう~~、今日もほむらちゃんは元気だねぇ~。
●ほむら:
あ!公園によくいるお婆ちゃん!おはようございまーす!
■公園のお婆:
元気なのはいいことだねぇ。
お前もそう思うだろぉ~~?
<猫じゃらしで、猫と遊んでいる>
■黒猫:
うにゃ~ん!
●ほむら:
あ!猫ちゃん~!可愛いですね~。
わ!キュートなポーチと首輪がついてる!
お名前はなんですか!?
■公園のお婆:
んー?
●ほむら:
そうじゃなくって……!
猫ちゃんのっ、お名前です!
■公園のお婆:
はて……。
なんて名前なんだろうね~、あたしにゃ検討もつかんね~……。
●ほむら:
えぇ!?お婆ちゃんの猫ちゃんじゃないんですか?
■公園のお婆:
いんや、あたしのじゃぁないねぇ~~。
●ほむら:
ええ?でも首輪がついてるってことは、飼い猫……だよね?
ん~~……猫ちゃーん、アナタはどこから来たのー??
■黒猫:
ごろにゃ~ん!<眼が光る>
●ほむら:
――黒い毛並みに、黄色くて綺麗な猫目。まるで宝石みたい……。
さしずめアナタは……キャッツアイの「アイちゃん」!
■黒猫:
にゃーん!!
●ほむら:
気に入ってくれたみたい!!
よーし、そうと決まれば!アナタの飼い主を探さなきゃだね!
■公園のお婆:
それよりほむらちゃん、学校はいいのかい~?
●ほむら:
あ……あ~~~~~!!
遅刻ギリギリなの、すっかり忘れてたぁ!
うーん、でもアイちゃんをこのままにしておくのも……そうだ!!
■黒猫:
にゃ~ん??
●ほむら:
アナタも学校に連れて行っちゃえばいいんだよ!
もしかしたら、そこで飼い主が見つかるかも――――!!
≪学校≫
◆担任:
――え~では、次!
出席番号19番。赤石ほむらさんー……は、いない。
今日は欠席か?初日だというのにまったく――。
●ほむら:(かぶせて)
は――――――――――い!!!
<スライディング>
◆担任:
どひゃあああ!?<風圧で吹き飛んでいく>
●ほむら:
赤石ほむらです!!
趣味はパパの格闘技観戦!好きなスイーツはイチゴパフェ!
誕生日は6月で、誕生石はアレキサンドライト!
将来の夢は、「世界を守るスーパーヒロイン」です!!
これから3年間!よろしくお願いしま――――――――す!!!
★◆■一同:
(唖然)――……ええええええええええええええ!!!
◆担任:(戻ってくる)
こ、こ、こら~~~~赤石ィ!!
急に出てくるんじゃなーい!今何時だと思っとるんだー!!
●ほむら:
ごごご、ごめんなさ~~~い!!
■黒猫:
うにゃ~~~ん!!
<ほむらと一緒に謝罪>
●ほむら:
ああ!?!?アイちゃん勝手に出てきちゃダメだよっ……!
◆担任:
にゃぁにぃい~~~!が、学校に猫まで連れてきおってぇぇ……!!
赤石ィ!!お前は今日から!!
問題児確定だァァァーーー!!!
●ほむら:
ええええええええ~~~!!!
■かのん:
――――ぷっふふふ!……なにあの子、面白い!
―――
――
―
●ほむら:
――私ほむら!よろしくね!
<全員にひとりずつ、あいさつ周りする>
■普通の女子生徒:
夜露死苦ね~~!
★気弱な男子生徒:
よ、よよ、よろしくお願いします……。
■ギャルい女子生徒:
しくポヨマジてんあげ丸~~!
★DJ.男子生徒:
イェア、ウェーイ!トゥトゥトゥトゥミートゥーー!!
■ツンデレな女子生徒:
はんっ!別に仲良くしてあげなくもないんだからっ!
★暗黒の男子生徒:
気安くオレに話しかけるな。メス豚……!!
●ほむら:
よーし。これで一通り。他にあいさつしてない人は……。
あ!あの席の子で最後かな!
こんにちはぁ!
■かのん:
――ごきげんよっ♪
自己紹介なら十分よ、
っふふ、あんな強烈なアピールをしたのは貴女だけだから。
私は「
●ほむら:
かのんちゃん……!
これからよろしくね!!
■黒猫:
うにゃ~ん!!
■かのん:
かわいい猫ねぇ!貴女の?
●ほむら:
ううん。
迷子になってたから、拾って飼い主を探してるんだ~!
■かのん:
そういうこと……。
●ほむら:
誰か心当たりない?
■かのん:
う~~ん……私にはわからないわね。残念だけど……でもその子、何かぶら下げてない?
その小さいポーチみたいなやつ。
●ほむら:
そういえばそうだね。
最初からこの子が付けてたもので。
■かのん:
ふむふむ……ああ、もしかしたら!
何かあった時のために、その中に連絡先が入っていたりして……って、少し安直かしら。アハハ。
●ほむら:
かのんちゃん……――――天才!?!?
■かのん:
うえぇ!?
●ほむら:
そーーだよ!!なんで気が付かなかったんだろう……!!
緊急用に持たせてるモノだったのかも!?
ありがとう かのんちゃん、さっそく確認するね!
■かのん:
え、えぇ。力になれたのなら、なによりだけ、ど…………。
赤石さん……うしろうしろ……!
●ほむら:
…………ほえ?
◆担任:(口で言う)
ドドドドドドドドドドドドドド――――。
●ほむら:
――……かのんちゃぁん(泣)。
■かのん:
ドンマイ……。
◆担任:
もうチャイムはなってるぞ赤石ィ……。
みんな、ちゃぁんと着席してるのにな~~はっはっは。
●ほむら:
え、えへへ~……。
◆担任:
――そんなに元気なら、お前は今日一日、立ってなさぁぁぁぁい!!!
●ほむら:
ふええええ~~~ん!!
◆担任:
連帯責任だ、
■かのん:
ちょ!?なんで私までぇ!
◆担任:
ついでに授業とは関係ないので、猫も没収しますッ!!!
■黒猫:
うに゛ゃぁぁ―――!!
●ほむら:
そんな~~~!
◆担任:
言い訳無用!!猫は保健室で預かるのでそのつもりで……以上――!!
≪お昼休み、誰もいない保健室≫
●ほむら:
――アイちゃーん、今日はひどい目にあったよ~~……。
■黒猫:
にゃーん……。
●ほむら:
あの後ホントにずっと立たされて、やっと昼休みで解放されたと思ったら、今度はお弁当を忘れてきたのに気が付いて……うぅ、厄日だよ。
■黒猫:
にゃにゃぁあ。
●ほむら:
……そうだよね。落ち込んでても始まらない!
元気なのが私の取柄なんだから!めげないぞー!
私の中学ライフはまだ始まったばかりだ、えいえいお――!!
■黒猫:
にゃおにゃおにゃ~~!
●ほむら:
あ、そうだ。ポーチの中身。
飼い主さんの連絡先、あるといいけど……。
アイちゃーん。ちょーっと失礼しますね~……。
■黒猫:
…………。<眼が光る>
●ほむら:
――……う~~ん、それらしい物はないね。
……んん?なにこれ。おもちゃ?
それに――石?うわ、眩しい!?
<ほむらが触れた石が、一瞬光を放つ>
■黒猫:
っ…………。
●ほむら:
うぅぅ急になに~!
石が光で反射したのかな……確かに宝石みたいで綺麗だけど。
赤色と……青色と。
ん?これだけ濁った石ころ?傷だらけだし、ちょっと汚いかも――。
黒猫:……。
★『――――どこのだれが、薄汚い道端の石ころだってぇ!?エエッ!!』
●ほむら:え!?!?
黒猫:……。
★『もっと言葉をオブラートに包まんかい小娘!!
私を、誰だと思っとるのだぁあ―――ッ!!』
●ほむら:
え、え、ええええええええ――――!?
あ、アイちゃんが喋ったああああああああ!?!?
■黒猫:
にゃ~ん!
★???:
『そっちではない、こっちだこっち!
お前さんに今語り掛けているのは、お前さんの手のひらにいる、この私だ!』
●ほむら:
て、手のひら……?
もしかして、この汚れた石さん!?
★汚れた石:
『その通りだ!……ちょっと待て違う、小汚い石で私の存在を完結させるな!これでもれっきとした宝石なのだ……たぶん』
●ほむら:
汚い宝石、さん……?
あーもーストップ! 頭がこんがらがってきたよぉ……。
つまり……アナタはアイちゃんじゃなくて、宝石さんなの?
★汚い宝石:
『少し頭を働かせれば分かることだ。
だいたい~猫が人の言葉を話すわけなかろう、常識的に考えて』
●ほむら:
非常識な存在のアナタに言われても説得力ゼロだよ……。
■黒猫:
にゃんにゃん。
★汚い宝石:
『うぐ――ようやく外部の人間とコンタクトできたのだ……私自身、気持ちが逸るのも無理ないことだ。驚かせてすまなかったな。
私の名は「コクヨウ」。鉱石の研究をしている、石博士だ。
まあ見ての通り……今は私が、その石になってしまっているがね』
●ほむら:
コクヨウ……博士?
びっくりしたよ~。宇宙人とかじゃなくて、ちゃんと人なんだね。
……でもなんで、石になっちゃってるの?
★コクヨウ博士:
『……上手く説明ができん。
私が研究者であることは覚えているが、この姿に至るまでの――直近の記憶が欠如している……気が付けば、すでにこのような姿になっていた』
●ほむら:
記憶喪失、ってこと?大変だね……。
何も覚えてないわけじゃないんでしょ?思い当たることはないの?
★コクヨウ博士:
『……予測だけならできる。おそらく私は、なんからの研究に失敗した。
だが……猫に大事な宝石を預けて、まだこのような形で生きている。まるで自分で逃げ道を用意していたかのようにな』
●ほむら:
うーん、難しい話は分からないよ……でもひとつだけ、分かった。
アイちゃん――この猫ちゃんは、きっと博士の飼い猫なんだね?
★コクヨウ博士:
『かもしれんな。特殊な教育を施しているようで、中々に知恵があるやつだ』
■黒猫:
にゃふ~ん!
●ほむら:
よかったねーアイちゃん!無事に飼い主さんが見つかって~!
■黒猫:
にゃ~~ん!
★コクヨウ博士:
『……話しかけることは出来なかったが、お前さんの行動はすべて見ていた。
やることなすこと、ぶっ飛んだ思考の娘だと呆れていたが……この猫はお前さんに何かを見い出し、素直に着いていった。
おかげで私は今、こうやって言葉を交わすことができる……猫とお前さんの意思が、この縁を結びつけたのだ。
これを偶然で終わらせたくはない。娘、名を聞かせてくれ』
●ほむら:
……ほむら。赤石ほむらだよっ!
★コクヨウ博士:
『ほむら――。どうか私たちに、力を貸してくれないか?』
●ほむら:
それって……どういう――――。
■黒猫:
――ッ!!
ウシャァァァアアア!!!<毛が逆立つ>
●ほむら:
アイちゃん?どうしたの――キャアッッ!!なになに、地震!?
★コクヨウ博士:
『これは…………どうにも嫌な予感がする。
ほむら!猫を連れてすぐにこの場所から離れろ!』
●ほむら:
博士!ど、どういうこと!?
★コクヨウ博士:
『さっきの話を覚えているか!この私の現状が逃げ道であるという予測を!』
●ほむら:
それがどうかしたの!? ッッ!!
揺れがどんどん大きく―――――こっちに近づいてるッ!?!?
■黒猫:
シャァァァアア!!!
★コクヨウ博士:
『逃げ道を進んでいる……つまるところ私は「何か」から逃げ出したのだ!!
そして私は――――その何者かに今も追われている!!!』
◆謎の声:
『――――ギュルルルルルルリィィィィィイ!!!!(咆哮)
大・正・解 ダァァァァァアアアッッッ!!!』
●ほむら:
きゃあああああッッ!!!
<保健室の床がひび割れ、爆発音を立てて粉塵が舞う。
地面の中から、巨大なドリルが出現する>
◆謎の声:
『――――ギュルルルルリィィィイ!!コンクリートは脆いゼぇぇオイ!こんな土と変わらねー場所にヨォ~~、隠れているやつの気が知れねぇゼェ!!
そうだよナァ~~~、コ~ク~ヨ~ウ博士ェェェ~~~!!!』
―――
――
―
●ほむら:
うぐ、何が起こって……!
★コクヨウ博士:
『無事かほむら!!
――やはり追手がいたのか……それも人間ではないときた!
何なんだ貴様は!!』
◆謎の声:
『オイオイ連れねぇこと言うなよナ~~~!!オレ様を産み出してくれたのは他でもないアンタだゼェ??
親が子供の顔を忘れるなんてどうかしてるゼェ!!見ろよこの姿ァ!!ギュルルリィイ!!
おかげで無事~ピュアな不良息子に成長しちまっタァァア!!!』
★コクヨウ博士:
『貴様なんぞ知らんわ!!何者だと聞いてるんだ!!』
◆フルメタル:
『――レイドストーン!コード4.5「フルメタル」!!
キングの指令によリィ!反逆者であるアンタを粉々に破壊しテェ~~~盗まれたパワーストーンを回収しに来てやったんだヨォォ!!』
★コクヨウ博士:
『パワーストーン、だと!?』
■黒猫:
ウシャァァァアア!!!
◆フルメタル:
『ギュルルルルリィィィイ!!観念して砕け散レェェエ!!!』
●ほむら:
アイちゃん――――ッ!!!
■黒猫:
にゃああ!?
<ほむらに抱えられ、ドリルを回避する>
◆フルメタル:
『ナニィイ!?人間だトォ!?!?』
●ほむら:
大丈夫……!?怪我ない?
■黒猫:
にゃーん!
★コクヨウ博士:
『なんて無茶なことを……!だが助かったぞ!!』
●ほむら:
それより博士!なにあの怪物!?
★コクヨウ博士:
『分からん!が……おそらく、私が研究していた「パワーストーン」と関係している!確実なのは、奴は私と、私の宝石を追ってここまで来たということだ……!!
お前さんは一人で逃げろ!ここにいたら巻き込まれるぞ!!』
●ほむら:
ダメだよ!!
そしたら博士とアイちゃんが―――!
■黒猫:
うにゃぁぁあ!!
<フルメタルの動きに気づく>
●ほむら:
ッ!!
◆フルメタル:
『茶番に付き合ってやるほどお優しくねえゼェ!!オレ様はヨォォォ!!!』
★コクヨウ博士:
『ほむらぁぁぁあッッ!!!』
◆フルメタル:
『ギュルルルルリィィィイ!!
必殺ッ――【フルメタル・スパイラル】!!ギャハハハハッ!!!』
<保健室が振り回されたドリルによって半壊する。
だが、ほむらの姿はない>
◆フルメタル:
『――――……ヌ?ンンン!?
……消えタァ!?猫も人間モ……宝石モォォォ!?!?
どこに行きやがっタァァ!!ハ――カ――セ――ェェェエ!!!
ギュルルルルリィィィイ―――!!』
<ドリルを回転させて再び地面の中へ消える>
―――
――
―
●ほむら:
――――はぁ、はぁ……ここまでくれば……痛ッ!
<足の切り傷から血が滴る>
★コクヨウ博士:
『ほむら!もう十分だ……!
奴が暴れたおかげで、間一髪土煙に紛れて外に脱出できたが……その傷は無視出来ん。私が巻き込んだせいだ』
■黒猫:
にゃー……。
●ほむら:
っ…………。
★コクヨウ博士:
『もういいんだ……。
奴はまだ宝石を諦めておらん。これ以上私たちに関われば、最悪を覚悟せねばならんぞ。
お前さんの身の安全のために、私たちのことは忘れて……逃げるんだ』
●ほむら:
…………<笑顔をつくる>。
大丈夫だよ。
■黒猫:
にゃぅ……?
<ほむらに頭を優しく撫でられる>
★コクヨウ博士:
『っ……(なぜこの状況で、笑顔でいられる)』
●ほむら:
……私の夢はね。
みんなを守る正義のヒロインなんだ。えへへ……。
昔っから、困っている人を見捨てるなんて出来ない性格なんだよ。
★コクヨウ博士:
『その結果、自分の身を滅ぼすことになるとしてもか……!』
●ほむら:
そうなるって決まったわけじゃないでしょ?
博士たちも、私も、皆が助かる!
そういう明るい未来に少しでも可能性が繋がってるなら、それを信じて守り抜くのが、私のしたい正義っ!
他の誰よりも、私がそれを一番に信じるの。
だから――。
■黒猫:
……ッ!<瞳が煌めく>
●ほむら:(笑顔に勇気が宿る)
――私はアナタたちを絶対に見捨てないし、関わったことも後悔してないよ。
★コクヨウ博士:
『ッ…………』
●ほむら:
ふふ~~ん!<得意げな笑み>
★コクヨウ博士:
『………………ハァ~~。
この愚かモンが。勇気と無謀を履き違えるな、小娘』
●ほむら:
えぇぇ……!?
私今すっごくカッコいいこと言ったはずなんだけど!!
★コクヨウ博士:
『策もなく、歯の浮くような理想論を語るお前さんは、正真正銘の阿呆だ。
阿呆など心配するだけ無駄だと悟ったまでよ……フッ』
●ほむら:
石から鼻で笑われた……。
確かに策なんて思い浮かばないけどさぁ~……。
★コクヨウ博士:
『――――ひとつだけあるかもしれん。奴に対抗できる方法が』
●ほむら:
え……?ほんと!?
★コクヨウ博士:
『奴のバケモノじみた力は、奴自身が口にしていた「パワーストーン」が関係している。ならば、我々もそれを利用して奴と戦うのだ!』
●ほむら:
確かにアイツも言ってたけど……。
なんの話なの?そのパワーストーンって何?
★コクヨウ博士:
『私の研究成果だ。宝石に宿るエネルギー……それがパワーストーン。
奴が執拗に狙っている、この2つの宝石もそれに含まれている』
●ほむら:
つまり……その宝石の力を、私たちも使えば……!
……って、そこまで分かってるなら最初からソレ使えばよかったんじゃないの~~!?
★コクヨウ博士:
『最後まで聞けぃ。
私はパワーストーンの実在を証明したが、それだけだ。
人がその力を使えると完全に証明できたわけではないし、奴がどうやって力を行使しているのかは見当もつかん……が、現に奴は力を使える。私は石の状態でも生きている。なら不可能ではないという、希望的観測にすぎん話さ』
●ほむら:
……。ありがとう博士、それだけ聞ければ十分だよ。
その宝石、私に貸してくれる?
★コクヨウ博士:
『……本当にやるつもりか?憶測の域を出ないこの話を。信じるか?』
●ほむら:
もちろん。私にできることなら、なんでもするよ。
<ポーチの中の宝石が瞬く>
★コクヨウ博士:
『ッ!……フッ。どこまでも、摩訶不思議で阿呆で……純粋な娘だ――お前さんに賭けるしかあるまい。頼むぞ、ほむら――』
■黒猫:
ウシャァァァアアア!!
◆フルメタル:
『――――ギュルルルルリィィィイ!!』
★コクヨウ博士:
『ッ!?長話が過ぎたか!また奴が地表に現れるぞ……!』
●ほむら:
どうすればいいの!
■黒猫:
うにゃぁあー!!
<尻尾でポーチからあるモノを取り出し、ほむらに投げる>
●ほむら:
っ!これは……さっきのオモチャ?それに、赤い方の宝石……!
★コクヨウ博士:
『その宝石の名は「ルビー」!
ほむら、必要なことはひとつだ!
パワーストーンの力とは意志!
宝石とお前さんの意志が重なった時、初めて観測が可能となる!
ジュエルマシン(オモチャ)は、その意志を増幅させて形にするための手動トリガーだ!!』
◆フルメタル:
『――ギュルルリィィイ!!み~~つ~~け~~た~~ゼェエ!!!』
★コクヨウ博士:
『イメージしろ!!ルビーとお前さんはきっと相性が良い!!
意志を爆発させ、奴を倒せる力をイメージするのだ――ッ!!』
◆フルメタル:
『コソコソと何を企んだって無駄だゼェエ!!!
今度こそ終いダァァゴミ屑共ォォォ――!!!!』
■黒猫:
にゃぁあー!!
●ほむらN:
私の、意志……私は。私は!
ただみんなを守る正義のヒロインに……!!
お願い、応えてッッッ――――……ッ!?
<ルビーの瞬きが一瞬強く、しかしだんだんと弱くなる>
な、なんで……!?!?
◆フルメタル:
『ギャハハハ!!当然の帰結ダァ~~!!
人間風情がパワーストーンを使おうなんザァ、おこがましいんだッッヨォォ――!!!』
●ほむら:
ぐああああああ――――!!!!
<薙ぎ払われたドリルが直撃し、吹き飛ぶ>
★コクヨウ博士:
『ほむらああああああああッ!!!』
●ほむら:
――かはぁ、ぁ………。
(身体が……動かない)
(どうして……ルビーに込めた想いは嘘じゃないのに。私は、本気でみんなを助けるために……なんで)
■黒猫:
にゃぁぁあッ!!
★コクヨウ博士:
『今ルビーは間違いなく、ほむらの意志に呼応した。そのはずなのだ……クソ、なにが足りなかった……!』
◆フルメタル:
『至極当然だゼェ!!
パワーストーンは選ばれし者の力だァ!!
これを使えるのは、特別な存在である我等レイドストーンをおいて他に無シィ!!
もともと人間には過ぎた力だっつーわけヨォォ~~ギャハハハ!!』
★コクヨウ博士:
『私は……また間違えてしまったのかッ…………』
●ほむら:
ぁ、あき……!
(諦めちゃだめ!!せめて、アイちゃん達だけでも!)
(逃がさないと!守らないと!!お願いだから、動いてよ私ッ――)
■母:
――――――ほむら……?<弁当を落とす>
●ほむら:
ッッ!! ぉ。かぁ、さ…………逃げ……!
■母:
お弁当……忘れてた、から……。
えぇ……?どういうこと! ほむらぁぁぁあ――ッ!?
◆フルメタル:
『ガタガタ騒ぐんじゃねえよ人間ガァァ~~~!!!
目撃者が増えるのは面倒なんだヨォ――永遠に、沈黙してナァ』
<フルメタルの眼光が赤く光る>
■母:
ウッ!?なに、コレ……ホ、ム―――<石像になる>
●ほむら:
ッッ!?ぉ、おか……ァァ……!!
◆フルメタル:
『ギャハハハハハ!!!虚しいナァァ~!
無駄な努力ご苦労様でしタァ~~ハ――カ――セ――ェエ~~!!』
★コクヨウ博士:
『なんてことだ…………。
――やはり、愚か者は私の方だったようだ。すまない。ほむら……』
◆フルメタル:
『さんざん手間取らせやがっテェ!だが、これでようやく任務達成――』
■黒猫:
――ウシャァァアアッ!!
●ほむら:
――――っ!
◆フルメタル:
『……アァ??』
■黒猫:
シャァア!!シャァァア!!
<フルメタルに飛びつき、ガリガリと爪で引っかく>
★コクヨウ博士:
『……お前さん、まだ……!』
■黒猫:
シャァァア!!
◆フルメタル:
『――――邪、魔、ダッ!!!』
■黒猫:
に゛ゃァッ――<フルメタルの一撃で宙を舞って地面にぶつかる>
●ほむら:
―――ッ(アイちゃん――ッ!!)
ぐ……ぐぅぅ――!!
◆フルメタル:
『――――今のは結構カチンと来たなオィィ~~!脆弱な生き物がこの、このオレ様に立てついてテメェエ、安らかに眠れると思うなヨォォオ!!』
■黒猫:
にゃ、ぅぁ……。
◆フルメタル:
『この鉄の足で踏み慣らしてやるヨォ~!ぐちゃぐちゃに、潰れロォ――ソ~~~レィ!!!』
●ほむら:
ぐッ――ダメェェェェエ!!!
<身を投げて、フルメタルと猫の間に割り込む。骨が悲鳴を上げる>
――う、ぐぁぁァアアアッ!!
◆フルメタル:
『アァ!?てめぇ人間!!まだ動けたのカァ……!?』
★コクヨウ博士:
『ほむら……!!』
●ほむら:
ハァァ――ハァァ――。
……謝らないでよ――博士。
本当に、謝らないといけないのは、私の方だから……!
うぐぅぅぅ!?<ゴキッと肩が折れる音>
◆フルメタル:
『オイオイ満身創痍じゃねえカァ!!!このままクソ猫と潰れるまであと何秒持つかナァァ~~ドーレェェ!!!』
<さらに体重を乗せる>
●ほむら:
イヤアアアアアアア――<ミシミシと身体が悲鳴を上げる>
★コクヨウ博士:
『やめろぉ!自分を犠牲にするな!!なんで、どうしてそこまで――』
●ほむら:
黙って聞いてッッ!!!!
★◆コクヨウ博士・フルメタル:『ッ!?!?』
●ほむら:
――……みんなを助ける正義のヒロイン。
ずっとずっと憧れだった……でも私……思いあがってた……。
博士も、アイちゃんも、ママも……!
私はまだ……誰も守れてないじゃん……!
まだ私はぁ!ただヒロインに憧れてるだけの子供なんだ――!!
■黒猫:
にゃ、ぁ……<ほむらの宝石が瞬き、アイの眼を反射する>
●ほむら:
――ママが石にされて、アイちゃんが蹴られるのを見て、すごく苦しくて、涙が止まんなくて……やっと、私がバカだって気づいたの……!
違うじゃん……!みんなをとか……世界をだとか……!!
そんなのどうでもいいよ――――ッ!!!!!!!!
目の前の、大切なひとりすら守れないで――――なにが正義だ……ッ!!
★コクヨウ博士
『ほむら……――!』<ルビーの輝きを見る>
◆フルメタル:
『ぬるい茶番には付き合わねぇっテェ言っただろうガァァア!!!
クソザコはさっさと潰れとケェェ!!!オラァア!!』
●ほむら:
ぐああ――嫌だァァァアアア!!!
もう死んでも譲らない!
言葉だけの憧れなんていらないから!!
誰かをじゃない――ママを!――博士を!!――アイちゃんを守り抜くための!!!大切なものを絶対に救う、負けない勇気を持ったスーパーヒロイン!!
それが私の――本当の正義なんだああああ!!!
<ルビーから、鮮やかな光の閃光がほとばしる――>
◆フルメタル:
『ヌゥウ――――!?!?』
■黒猫:
にゃぁぁぁあー!!<眼が輝く>
●ほむら:
――っ!! ルビーが……!
すごく温かい……痛みが、引いていく……。
これなら――。
◆フルメタル:
『ぐぉぉオ!?な、なんダァァアアッッ!?!?』
<ルビーの光に弾き飛ばされるように転がっていく>
★コクヨウ博士
『ルビーの光――!? 意志がシンクロしたのか!!
だが、これは――――』
◆フルメタル:
『なんなんダァァ――パワーストーンのッ!?この凄まじいエネルギーの奔流は――なんなんだこりゃァァア!?!?』
★コクヨウ博士
『今しかない!ジュエルマシンを使え!!
そこに宝石を入れてトリガーを引くんだッ!!』
◆フルメタル:
『バカがァァ!!させるかヨォォォ』
■黒猫:
フシャァァア!!!<フルメタルの顔に飛びつく>
◆フルメタル:
『グヌウッッ!?クソ猫ォオ!?じゃ、邪魔ダァ、この――』
★コクヨウ博士
『ほむら――――ッ!!!』
■黒猫:
にゃぁぁぁぁあ―――!!!
<ジュエルマシンとルビーを構える>
●ほむら:
私の正義で、アイちゃん達を救うッ!
だから力を貸して!――ルビー✨
【ほむら変身バンク】
●ほむら:
――――生まれ変わるよ、私!
パワーストーン、セット!✨ ルビー!!
『スタイルオーバー・チェンジ!』
<トリガーを引き、ルビーの閃光で宇宙に変わる>
<ルビーが星屑の流星となって、ほむらを変えていく>
≪衣装チェンジの煌めき≫
情熱のジュエル✨パッションっ! <髪が燃える赤色にチェンジ>
希望のジュエル✨ホープっ! <制服がヒーロー衣装にチェンジ>
そして、勝利のジュエル!✨ヴィクトリィ! <瞳がルビー色に煌めく>
≪衣装チェンジ完了≫
燃えろ
真紅の炎(ほむら)は――不屈の象徴!!
煌めきハート! マギアルビー!!!✨✨
正義の炎(ほのお)で。 焦がしてあげる――!
―――
――
―
★コクヨウ博士
『――マギア…………!』
◆フルメタル:
『――――ルビー……だとォ!?!?』
■黒猫:
にゃにゃ~~ん!!
●ほむら:
……すごい……すご―――い!!
私が、私じゃないみたい……!!
頭の中で考えてたイメージ通りだよお!!!
◆フルメタル:
『何が起こっていルゥ……。
人間ガァ……パワーストーンと合体しやがったのカァア!?
ありえねーだろテメェェ~~~!!
さっきまで傷だらけのボロ雑巾だった奴ガァ――なんなんだその姿ハァァァ!!!』
●ほむら:
――『
魔法の宝石で敵と戦う!スーパーヒロインだよッ!
◆フルメタル:
『イカレてんのか貴様ァァア……服や見た目が変わったから、だからなんだというんダァァア!!
魔法だかなんだか知らねぇガァ、テメエのしょーもねえバカズラと一緒にその衣装もろとモォォ!細切れにしてやるヨォォオ!!!』
●ほむら:
ッ!!人の夢を……。
◆フルメタル:
『ギュルルリィィイ!!【フルメタル・スパイラル】―――――ヌ!?』
●ほむら:
――……!!
<回転するドリルを、左手で押さえているほむら>
★コクヨウ博士
『奴の一撃を……完全に受け止めている!?』
◆フルメタル:
『ぬぁぁニィィイ!?
このオレ様の必殺技ヲォォ、たったの親指と人差し指でェェエ!?!?』
●ほむら:
人の夢を――――ッ!✨
<空いた右手の拳が煌めく>
◆フルメタル:
『ギュルルルル!?まずィイ……!!
抑え込まれたドリルの回転ガァッ!
逆にオレ様の方ににににニィィ~~~!!』
<ドリルが完全停止し、フルメタル本体が回転し始める>
●ほむら:
バカにするな――パ―――ンチッッ!!!
◆フルメタル:<ドリルが爆発四散する>
『ギィヤァァァァァア!?オレ様のォォォ……』
★コクヨウ博士
『なんてパワーだ……まさかこれほどとは!
――キャッツアイの猫よ、お前さんはこれを分かっていて、ほむらに……』
■黒猫:
にゃふ~~ん!
◆フルメタル:
『この……コード4.5のオレ様が粉々だトォ、グギギギギギ…………』
●ほむら:
これで、アナタの攻撃手段はもうなくなったでしょ?
おとなしく、降参しなさい!!
◆フルメタル:
『――ざけんなヨォ……攻撃手段ガァ……無い、だトォ――ギュリヒヒヒヒ!!確かにドリルはもう使えネェ、だが必要ねぇゼェエ!!
「コイツ」があるからヨォ~~~!!!』
★コクヨウ博士
『ムッッ!?あの石像は――!!』
●ほむら:
――――ママッ!
◆フルメタル:
『大事な大事なママなんだってナァ~~~!!石化した人間ワァ、破壊されれば二度と元には戻れねんだゼェ~~知ってたかヨォォ、ギュリヒヒヒ!!』
■黒猫:
うにゃーー!!
★コクヨウ博士:
『どこまでも卑劣な奴め……!!』
●ほむら:
……ママを、離して。
◆フルメタル:
『ああ離してやるヨォォ……テメェが棒立ちでオレ様の攻撃を食らっテェ、バラバラに弾け飛ぶってんなら――ナァァアア!!!』
<母親を盾にして、体当たりで突っ込んでいく>
★コクヨウ博士:
『避けろほむらぁぁあ!!』
◆フルメタル:
『即席のフルメタル・アッパーカットォォオ!!』
●ほむら:
グハァッッ――!?
<攻撃をまともに食らい、大空の彼方へ飛ばされる>
◆フルメタル:
『どうよ空から落っこちる景色ハァ、ギュリヒヒヒヒヒ!!
空中に飛ばしちまえばヨォオ――回避行動は取れねぇわけダゼ!!
そしてェエ!!とっておきの変形モ―――ド!!』
<ドリルから、ロケットの形に変形していく>
★コクヨウ博士:
『まずいぞッ!まだ何か攻撃方法を隠していたのか……!!
そこから逃げるんだほむらぁぁぁ!!』
●ほむら:
――……ううん。このままで――いい!
<フルメタルに向かって大空を自由落下する>
◆フルメタル:
『貴様の真っ赤な花火デェェ、オレ様の勝利を祝福しナァァアアア!!!
【フルメタルゥゥゥウ・パトリオットミサイルゥゥゥウ】――――』
●ほむら:
……この大空だったら、みんなを巻き込まなくて済む。
だから――ここで迎え撃つ!✨
<ルビーが閃光の輝きを放つ>
◆フルメタル:
『タァァマァァヤァァァアア――ドゥルルルルリィィィイ!!!!』
<天高く、落下するほむらに向かって自身を発射していくフルメタル>
●ほむら:
――燃えろ
◆フルメタル:
『ヌゥゥゥゥウウウウ!?!?この、エネルギーはァァァ――』
●ほむら:
【ヒロイック――――ッ!! ルビー・スマッシュ――!!】
はぁぁぁああああああああああああ―――!!!!
<ほむらの燃え盛る光の拳とミサイルが衝突――>
<どてっ腹に大きな風穴が空いているフルメタル>
◆フルメタル:
『カォ!?カギィ!?カギィヤアアアアアア――散りゆクゥ~~~――――』
≪爆発≫
≪大爆発≫
≪三段階の大爆発≫
★コクヨウ博士:
『――これが……ルビーの。赤石ほむらの――資質』
<地面に着地するほむら。指でV字の決めポーズ>
●ほむら:
――ビクトリ~っ!!
■黒猫:
みゃあーーー!!
―――
――
―
■母:
――……ん、んん……?ここは……。
●ほむら:
ママ!目が覚めた!?……よかったぁ……!
■母:
ほむら……?ここ、保健室?
あら……私、なんでここに……。
●ほむら:
お弁当持ってきてくれたでしょ?その後すぐ貧血で倒れちゃったんだよ。
だからここまで運んできたの!
■母:
そうだったの……ごめんなさいね。
なんだか変~な夢見てて、疲れちゃったわぁ~……。
●ほむら:
まだ調子戻ってないでしょ?もう少し休んでなよ。
私は授業あるから行くけど、何かあったらすぐ呼んでね?
正義のヒロインが、颯爽とママを救いにいくよっ!
■母:
……おバカね、また適当言って……――<小声>でもあんたなら、割と様になってたりしてね。
●ほむら:
なにか言ったー?
■母:
何でもないわよ~。さっさと授業行きなさいなー。
●ほむら:
は~~い……あ、そうだ。ママ!
■母:
なーに?
●ほむら:
――私、本当にやりたいこと見つかったよ。
だから――応援してて。それだけ!!<保健室を出ていく>
■母:
……ふふ。
■母:
……子供は、知らないうちにあっという間に成長するものねぇ。
私には何もできないけど。
……ほむら。
――頑張んなさいよ。
―――
――
―
≪とある建物。携帯で、録画を見ている黒髪の少女≫
■黒髪の少女:
――……。
―REC―
●ほむら:
――『魔宝少女・マギアルビー』!
●ほむら:
魔法の宝石で敵と戦う!
スーパーヒロインだよッ!
―REC―
■黒髪の少女:
……ルビーのパワーストーン。赤石ほむら――。
ヒスイと組まれたら面倒な相手……。だけど。
<携帯で一時停止されたほむらの顔。
少女が指先で撫でた瞬間、蜘蛛の巣のようにひびが入る>
■黒髪の少女:
……待ってて、お父さん。
あの宝石は……ルビーは私が取り返す。必ず――――。
つづく
<次回予告のBGM>
<全体的に早口めで>
●ほむら:
次回予告!
スーパーヒロインになっちゃった私!
さあ、今日もヒーロー活動だ~!
■黒猫
にゃーん?
●ほむら:
任せてアイちゃん、これからは私がガンガン戦っちゃうからね!
★コクヨウ博士:
それよりほむら、学校は大丈夫なのか?遅刻するぞ?
●ほむら:
え?
■かのん
赤石さん、教科書持ってきた?宿題終わってるの?部活決めた?今日は日直じゃない?
●ほむら:
え、え、え……うわー大変だよ~!!
★コクヨウ博士:
やれやれ、敵は気になるが、学校も大事だぞ。
■かのん
もう、仕方ないわね。私も手伝うから。
●ほむら:
かのんちゃんありがと~!
でもでも、陸上部はいいの?
■かのん
今は休部してるの。それに……。
●ほむら:
かのんちゃん?
■かのん
やらなくちゃいけないことがあるから……ヒスイ!
●ほむら:
その石…!かのんちゃん!?
★???:
望みを叶えたけれバ、我の為に働ケ。ヒスイ。
■かのん
騙してごめんなさい。あなたのルビー、貰うわ!
●ほむら:
そんな……!
●ほむら:
煌めきHeart!ジュエリーマギア。
第二話 立ち上がれ、かのん!マギアサファイヤ、登場!
かのんちゃんは、私が救う!!
煌めきHeart!ジュエリーマギア @murota
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。煌めきHeart!ジュエリーマギアの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます