第11話 コップの蓋
僕の話の続きを書いていこう。
僕は日を追うごとに忘れていた日々を思い出して来た。
僕は今日、コップが冷めないようにする為の蓋を思い出した。
それは、僕にとってその入居者さんの部屋の中を思い出したことになる。
その部屋は入居者さんのもので溢れかえっていた。
そして、朝と夕方に自分がしていた仕事を思い出した。
僕は先輩から朝はカーテンを開ける、そして夕方はカーテンを閉めに行く。その作業をする中で必ずノックをして失礼しますと言って入って、失礼しましたと言って出てくる。
その仕事をしていたことを思い出した。
日に日に記憶は鮮明に蘇ってくる。
僕がこの記憶から抜け出すにはどうすることが自分にとって1番良いのか今でも考えている。
どんなに本を読んだって解決策より付け焼き刃しか未だに見つからない。
主治医にトラウマを忘れられるか聞くと、主治医は言った。
『次の仕事をすれば記憶が書き換えられて忘れられる。あと、よく眠ると良いよ』
そんなことを言われて先生の言う通りに寝てみたりした。
それなのに、僕に蓄積された多くのトラウマが僕を蝕み始めた。
最初は本屋でレジに並んでいた時だ。
突然、胸が痛くなった。
なんだこれって。
でも、少ししたら治った。
次に電車で突然胸が痛くなって、喉がつっかえてて、息苦しくなった。
その時はしばらくしたら治った。
そして、ついには夜寝ている時に息苦しくなって目が覚めて涙が溢れた。
僕は電車に乗るのが怖くなった。
僕はもう自分の記憶を思い出すのが辛い。
ご無沙汰メールの続き ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet
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