サッカーコラム 2023年の浦和レッズについて
武藤勇城
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サッカーコラム 2023年の浦和レッズについて
今年の開幕戦を前に、以下拙作「サッカーコラム Jリーグ30周年を終えて」の第3話部分にて、2023年シーズンの浦和レッズの戦力評価を行いました。
https://kakuyomu.jp/works/16817330653069698130
その時点では、レッズでのプレーを見た事がない選手、評価なしの選手が数名いました。あれから約1カ月が経過し、公式戦5試合、Jリーグの第4節まで+ルヴァンカップ1試合で一通り見る事が出来ましたので、改めて今シーズンのレッズを評価したいと思います。
(以下、敬称略)
なお、更なる新戦力として、カンテが完全移籍で加入すると発表されました。サッカー選手のカンテ・・・って、あのカンテ!? フランス代表の世界屈指のボランチ!? ・・・とネット上でざわついていますが、別人ですw
背番号は11番。スペイン出身のガーナ代表FW、ホセ・カンテ。32歳です。CHINAのリーグで2桁得点しているようなので、そこそこ得点力はあるようですが、全くの未知数です。話によれば興梠のような、自分で点を取るだけではなく周りを活かすプレーが得意なのだとか。
そのカンテ加入もありまして、またレッズの評価も変わってきそうですが、今シーズンに関して再評価はしないと思います。今シーズンのレッズに関しては、今回が最後になります。
今回行うのは、前回評価がなかった3選手、FWリンセンと、DFホイブラーテンと、DF荻原拓也についての評価。それに評価を少し変えた選手について。最後に総合評価+ぼくの考えた最強フォメの発表です。それでは早速参りましょう!
1、FWリンセン
リンセンは、正直、期待外れです。開幕から2試合は先発出場しましたが、全く良いところなく途中交代。チャンスや見せ場も作れず、ほとんどボールにも触っていないのではないでしょうか。一応、得意プレーは裏抜けらしいのですが、そうしたシーンもほぼ見られませんでした。レッズにパサー、司令塔がいないというのもありますが、それにしても酷い・・・ここまでの評価は最低のCです。
2、DFホイブラーテン
ホイブラーテンはカップ戦も含め、全5試合に先発フル出場しています。監督の肝いり選手という事で、信頼は厚いようですが、プレー自体はかなり怪しいところです。開幕戦、第2節と、いずれも2失点。開幕戦に関しては、オウンゴールとDFのリフレクション、ほぼ2つオウンゴールという不運な結果でしたが、その失点以外でもDFラインが乱れている場面が多く、コンビネーションにはかなりの不安があります。海外ではよくあるのですが、最終DFであっても無理に前でボールを奪おうと出て行って、逆に裏を取られるプレー。開幕から数試合だけで何度か目にしました。それが失点に繋がったシーンもあります。前で奪いに行くプレー自体は、良いか悪いか評価が難しいところですが、もしそういうプレーをするのであれば、チームとしてチャレンジ&カバーを徹底しなければいけません。この辺りもコンビネーション不足という話になると思います。第3節以降は多少良くなってきましたが、現段階での評価はBです。コンビネーションの問題も考えると、現時点では岩波を使う方が良いぐらいです。もちろん、コンビネーションが良くなれば評価が変わってくる可能性は十分です。
3、DF荻原拓也
以前にもレッズに在籍し、何度か試合にも出ていますので、改めた評価は必要ないかも知れません。ユーティリティプレイヤーで、浦和の穴になっている左サイドバックも出来る選手です。現状、リーグ戦の左は明本が全てスタメンで、荻原はカップ戦のスタメンと、リーグ戦では2試合、ラスト15~20分間の出場に留まっています。ただ明本も不安定ですから、今後スタメンが入れ替わる可能性はあります。リーグ戦で短い時間、特に相手が疲れた後半最後のプレーのみですので、評価は難しいのですが、少なくともそういう時間帯で出て来て攻撃を活性化する役目は果たせています。評価としては明本と同列、B-といった辺りです。
4、評価を変えた選手
前回のコラムから評価の変わった選手を挙げていきます。まずFW興梠です。現状、(カンテ合流まで)FW不足により興梠が軸になりそうです。ただ年齢的にフル出場は見込めず、先発して最初の30分は良いのですが、すぐスタミナ切れして試合から消えてしまいます。苦しい台所事情から先発で使わざるを得ませんが、やはり先発させるのは厳しく、得点の可能性も全盛期と比べて格段に落ちています。スピードやスタミナといったフィジカル面に目を瞑れば、相変わらずポストプレーは上手く、周りをよく見て的確にパスを出し、開いている選手やスペースに展開出来ます。司令塔不在のレッズにおいて、偽司令塔の役割が出来ています。興梠が出て、運動量のある間は、スムーズにボールが動いて良い形が作れます。前回はC評価でしたが、この偽司令塔の役目という点でB-に評価を変更します。
続いてMFモーベルグです。今シーズンは、はっきり言って出来が悪いです。無理なドリブルを仕掛けて簡単に失ったり、チャンスを作れず空回りするシーンが目立ちます。一応、今のレッズの攻撃陣の中では一番手の選択肢になるとは思いますが、昨シーズンの出来と比べると全然です。B+の評価でしたが、Bに変更します。
評価が変わるわけではないのですが、GK西川に関しても少々。A評価の上を付けたいぐらい、ここまで頑張っています。リーグ4試合だけでも、何度決定機を阻止したか分かりません。特にリーグ戦2連敗で迎えた第3節。そこまで0-2、0-2で敗戦が続き、この試合でも0-1とリードを許しました。そして迎えた前半39分、セレッソのCKからゴール前中央、DFヨニッチの至近距離からのヘディングに素早く反応し、これを掻き出しました。DAZNの公式動画は以下。
twitter.com/REDSOFFICIAL/status/1631961230171852801
このシーンが今シーズンのターニングポイントになりました。仮にここで0-2になっていたら、今の浦和の攻撃力では追い付くのは難しかったでしょう。このビッグセーブによって前半1失点で凌いだ事で、2-1の逆転劇へと繋がりました。その後はルヴァンカップ (カップ戦のGKはザイオン)、リーグ首位だった神戸とのリーグ戦と、DFも安定し2試合完封しています。
5、最終的な総合評価
上記も踏まえ、総合評価を行います。ここでは前回の評価と、変わった部分を記していきます。
(前回評価)
守備 ・・・ A評価 (西川A、酒井A、岩波B、ショルツA、馬渡B)
(変更点)
岩波B → ホイブラーテンB
馬渡B → 明本B-
(新評価)
守備 ・・・ A評価 (西川A、酒井A、ホイブラーテンB、ショルツA、明本B-)
(前回評価)
中盤 ・・・ B評価 (伊藤B+、岩尾C、モーベルグB+、関根B-)
(変更点)
モーベルグB+ → B
関根B- → 大久保B-
追加:小泉B-
(新評価)
中盤 ・・・ B-評価 (伊藤B+、岩尾C、モーベルグB、大久保B-、小泉B-)
(前回評価)
FW ・・・ B-評価 (シャルクB、興梠C)
(変更点)
興梠C → 興梠B-
削除:シャルクB
(新評価)
FW ・・・ B-評価 (興梠B-)
総評:DF陣がJリーグ最高レベルなのは変わりません。CBのコンビネーションが向上すれば、より堅固なDFになると思います。一方で攻撃陣は全く良いところが見えません。江坂、ユンカーが抜けた穴は埋まらず、得点力不足をカンテで補えるかどうか、司令塔役を興梠がこなすのか、また別の方策を探るのか。課題は山積みです。昨シーズンと同程度の順位で落ち着くのではないかという最終予想は変化なしです。
最後に。「現有戦力でチームが良くなるためにはどうすれば良いか?」を考えてみました。それはシステムの変更です。今の4-5-1から、3バックに変更するのはどうでしょうか。今のレッズの問題点は、左サイドバックが手薄な事と、攻撃陣の人材、特に司令塔不在です。3-5-2または3-6-1に変更すれば、問題をある程度解消出来ます。
CBの人材は、ショルツ、ホイブラーテン、岩波、これに控えの犬飼と酒井がCBも出来るため、十分に余っています。3バックへの変更は容易です。CB2枚のコンビネーション不足によるラインの乱れは、3バックへの変更によって解消されます。問題があるとすれば、3バックの中央を誰がやるのかという点です。岩波はストッパータイプですし、ホイブラーテンも見た限りストッパー向きのようですから、ショルツが真ん中という事になりそうですが、そうするとショルツの攻撃力はあまり活かせなくなるかも知れません。どんどんオーバーラップを仕掛けるブラジルのリベロのような形もありますので、その辺は監督次第、やり方次第ではありますが・・・。
同時に、足りていない司令塔問題に関してですが、ここは2トップもしくは1トップ2シャドーで、興梠を使えば何とかなりそうです。例えば2トップの場合、新加入のカンテか、シャルクかリンセンか、またはモーベルグでも構いませんが、興梠と組む事で興梠の負担を減らし、スタミナの消耗を抑えます。2シャドーの場合は興梠とモーベルグがシャドーに入り、興梠の近くに運動量のある小泉か関根を置きます。これも興梠の負担を減らすためです。
前線に偽司令塔の興梠が入れば、無理に岩尾を起用しなくても大丈夫になり、守備的なところには柴戸など運動量がありサイドのスペースを埋められる選手を起用出来ます。ポジション配置としては、以下のようになります。
フォーメーション:3-5-2
興梠 モーベルグ
関根 小泉 酒井
柴戸 伊藤
ホイブラ 岩波
ショルツ
西川
フォーメーション:3-6-1
シャルク
興梠 モーベルグ
関根 酒井
柴戸 伊藤
ホイブラ 岩波
ショルツ
西川
以上です。
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