七七 七七と七不思議

蒼雪 玲楓

魔の数字に魅入られし者

 人はしばしば7という数字に惹かれ、それが絡んだ伝承や考えが多く存在する。

 その例を挙げるのならばラッキーセブン、七福神といったものだ。これらのように幸運、何かしらプラスをもたらすものの象徴とされることが多いが、逆に七つの大罪のような負の側面を表す際にも用いられる。


 そしてここに、7という数字に取り憑かれた者がいる。

 七七 七七 ななつな しちな

 その特殊な名が引き寄せるのか、そういう星の元に生まれたからこそこの名が与えられたのか。

 どちらにせよ、その生き方には7という数字が常に関わっていた。

 例を挙げるのなら学校の出席番号や携帯電話の番号のような本人の意思で確定できないものでさえ常に7という数字が入っていた。

 これだけではただの偶然と思われるかもしれないが、その裏に入学式直前で数人が急に転校し番号が繰り上がった結果出席番号が17になった。携帯電話の契約をしに行けば機器のトラブルが頻発し、落ち着いてから処理が完了すると番号には7が含まれている。


 こんな出来事がずっと続いているとなればそれは偶然なのだろうか。


 そして、そんな運命を持つ者の周りでもしも俗に七不思議、と呼ばれるような現象の種が渦巻いたとすればそれは何を引き起こすのか。


 答えは簡単だ。


『その現象が実現するようにありとあらゆる因果に歪みが生じる』


 この結論へと帰結する。

 例えば、事故を要因とする不思議があればそれを実現するために事故が発生し、芸術作品に関するものであればその元となる作品が作成されるように様々なものへの干渉が行われる。

 もちろんそれは七七本人の知らないところで始まるものであり、実際に認識するのは7という数字が目に見えてわかるようになるレベルにまで物事が進んでしまってからだ。


 発生する事象もまともでないが、さらにまともでないことがあるとすれば―――七七当人が嬉々としてそれに巻き込まれにいっていることだろう。

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