第3章 すべてを統べて

<帝国爆誕>

 サム・ジーヴァ国軍の快進撃は止まらない。ドン・ドン=タイーヤ帝国軍の残した武器・弾薬・人員その他資源を活用し、帝国本土に乗り込んだ。呼応する者たちは地球全土に現れ、あっけなく帝国は崩壊した。

「サム! サム! サム・ジーヴァ!」「サム! サム! サム・ジーヴァ!」

 全人類の圧倒的支持に迎えられ、サムはサム・ジーヴァ帝として戴冠。サム・ジーヴァ帝国がここに爆誕した。地球上の陸・海・空のすべてを統べる者となった。


 全世界から人材登用に勤しんだサム・ジーヴァ帝のもとには有為の人材が綺羅星のごとく集っていた。「ジャゾイの騎士」として帝国の最高意思決定機関「ドカ・イコヤ」に集った。

 主な者を挙げれば以下のようになる。

 ・地域総督

  旧南北アメリカ地域:PJ

  旧インド地域:ナカチャンドラ・ゴーン

  旧ユーラシア地域:ジョベ

  その他:サム・ジーヴァ帝(兼)

 ・文化大臣:サム・ジーヴァ帝(兼)

 ・大蔵/法務大臣:鎮勇

 ・軍務大臣:サモン・ジャルバ

 ・技術開発大臣:バニヤン

 ・厚生労働大臣:シ・エッキ

 ・総務大臣:聖・リセイトン


<素晴らしき新世界>

 この会議で出た意見をとりあげ、サム・ジーヴァ帝は矢継ぎ早に新帝国の制度を組み立てていった。主なものを挙げると以下だ。

 ・研究者・技術者への五百千万億那由多阿僧祇サム・ジーヴァドル支給

 ・サム・ジーヴァ帝国図書館の建設

 ・国歌の制定

 🥶「めっちゃ寒い」🥶

 サム サムサム サム・ジーヴァ❄️

 寒 寒寒 寒・ジーヴァ☃️


 酷寒の大地に生を享く👶

 仁慈に厚きわが帝王👑

 民に施す鴻恩に👨‍👩‍👦‍👦

 今宵も感謝の正拳突き🥋


 サム サムサム サム・ジーヴァ❄️

 寒 寒寒 寒・ジーヴァ☃️


 能力のあるものを経歴身分性別年齢にこだわらず登用し、強力な権限を与えること──あまりに基本的で、あまりに単純な原則であるが──により、サム・ジーヴァ帝国は宇宙史に残る空前の大繁栄を遂げた。


 建国から一年が経とうという頃、サム・ジーヴァ帝は傍らに立つ技術開発大臣のバニヤンに訊いた。

「我らの国力はどの程度増加したか? 一年前に比べて」

「成長率20,000%ですよ…! ありえない…」

 バニヤンの感嘆のつぶやきがもれた。サム・ジーヴァ帝国の前途には何ら暗い影はなく、サム・ジーヴァ帝の瞳は煌めく星々を見つめていた。

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