鳥撮りの十二か月

なるるん

四季の鳥さんたち

 鳥撮りにとって7月は『アンラッキー7』なのである。


 7月を含めた『夏』が、とも言えるけど、わたしの住む町では7月に鳥さんが極端に減る感じがする。


 春まではよく見かけた猛禽の類も、めっきり姿を見せなくなる。


 もちろん、渡りの夏鳥も少なからずは、来る。

 でも、他の季節に比べると、もう。 

 夏鳥は高い木に隠れて見えないことが多い。

 鳴き声を頼りに森の中を汗だくで右往左往。

 見上げてばかりで首が痛くなる。


 夏に一番よく見かけると言えば、ツバメさん。

 早朝と夕方に散歩がてら公園の池でツバメさんの水飲みを狙うのが唯一の楽しみ。


 そんな状態が9月ごろまで。


 10月に入ると『秋』の気配と共に渡りがはじまる。


 夏に飛び交っていたツバメさんも団体で南へ向かいはじめ、入れ替わるように秋の鳥が来て、ひと時、森を賑わせてくれる。


 でも、それは、ほんのひと時。


 『秋』は極端に短く、渡りは足早に去り、すぐに『冬』へと移り変わる。


 11月下旬から2月下旬ぐらいまで、長い『冬』には冬鳥たちが寒空を賑わせてくれる。

 ある意味、鳥撮りにとっては一番『熱い』シーズンともいえる。

 クリスマスもお正月もバレンタインもそっちのけで、フィールドを駆け回る。

 特に、オオタカさんをはじめとする猛禽が活発に動き出して忙しくなる。


 そういえば、初めてオオタカさんに出会ったのも年の瀬の頃だったなぁ。


 3月に入って『冬』の鳥が移動をはじめる頃、今度は留鳥が繁殖のために活発に動きはじめる。


 4月5月にはそれが顕著になり、ゴールデンウィークをピークに、春の渡りも重なって、また慌ただしい季節が過ぎる。


 6月には孵ったひな鳥たちが賑わいに色を添える。


 6月が終わり、ひな鳥が巣立つと、また静かな『夏』、アンラッキーな7月がはじまる。

 お池に行ってツバメさんの『水飲み』を狙うしかないんだけど、撮りすぎてカメラ壊れないか心配。

 ここで壊れたら本当にもう…

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