第2話 言いなり

 翌日も、占いは「アンラッキーナンバー:7」と表示してきた。翌日も、その翌日も。洋子は7を避けるのも疲れてきて、それほど意識しなくなった。それでも、特に不都合はなかった。ただ、火曜日が近づくと不安になった。七尾と会ってもいいものか。ひょっとして、この毎日表示される「アンラッキーナンバー:7」は、七尾と別れろという意味なのではないか。別れたら、もう表示されないのではないか。

 洋子は七尾に別れを告げた。幸いこじれる事なく、別れる事が出来た。そして、やはり翌日以降の占いにはもう、アンラッキーナンバーが表示される事はなかった。


 3ヶ月後、ニュースに七尾の名前と写真が出て、洋子は驚いた。

「七尾容疑者は、7人の女性を月曜日から日曜日まで、順番に殺害していった模様です。」

七尾は7人の女性と関係を持ち、毎日別の女性の所へ通っていたそうだ。そして、今回毎日順番に殺害するという暴挙に出たのだった。動機はよく分からず、快楽殺人としか言いようがなかった。

「危なかったー!占い様々だわ。」

洋子は胸をなで下ろした。

 そして、占いに今度は「ラッキーナンバー:5」と出た。洋子は五反田という同僚を意識し始めた。そのうち結婚するだろう。

 だが、もし占いが「アンラッキーナンバー:5」と表示したら、多分洋子は五反田と別れる事になるだろう。そして、ラッキーナンバーが3なら三谷とつき合い、2なら二ノ宮とつき合うのだろう。

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7を避けて 夏目碧央 @Akiko-Katsuura

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