7が嫌いな7人目。

CHOPI

7が嫌いな7人目。

 『ラッキー7』という言葉がある。詳しくは僕もよくわかっていないけど、例えば野球なんかは7回から流れが変わる場面が多かったり、旧約聖書には『神様が世界を6日間で創って、7日目を休息日にした』みたいなことがかかれているため『7』が神聖的な数字とされていたりするから、らしい。だけど僕、生まれてこの方『ラッキー7』なる場面に遭遇をしたことが無い。どちらかと言えば『アンラッキー7』。この方がしっくりくる。


 小学校の時のマラソン大会。77位。練習の時はもっと早く走れていたのに、とみんなが同情してくれた。僕自身、持久走には自信があって張り切っていたのに。話は簡単、慣れない道を走ったせいでスタート早々にずっこけて、ケガした状態で走る羽目になったからだ。しかもいやらしいのが、本当に大きめに擦りむいた『擦り傷』だったっていうところ。そう、痛みの中、少し我慢すれば『走れなくはない』状態だった。もったいない精神が「今までの練習が無駄になる」と、僕の背中を押し続けてこの順位。みんなの励ましが、さらに悔しさに拍車をかけたのは、ここだけの話にしておく。


 中学校のテストの結果。7点、37点、77点……。なぜかことごとく『7』が付いた時があった。自己の成績、過去最低点の7点を叩き出したのはこの時だ。苦手な数学で、どうしても理解できない単元で、自分なりに必死に勉強したのに7点だった。数学の先生からは努力だけは認めてもらえていた(あまりにもわからなすぎて、テスト前の放課後は先生の元に通い詰めたのだ)ので、苦笑いで「まぁ、次の単元頑張れば大丈夫だから」と言われた。この時から『7点』は結構トラウマの点数だった。


 そうしたら、その悪夢が再び起きた。大学入試、受験番号777番。手ごたえもばっちりで、これは合格したのでは!?と意気揚々だったけど、自己採点というものはあてにならない。実際問題、自己採点では合格点に達していたから安心していたのだ。なのにいざ、蓋を開けてみたら第一志望は不合格。……ちなみにあと『7点』取れていれば、ギリギリ合格ラインに達していたとか。またしても『7点』にやられた、と痛烈に感じた。この時からもう、『7点』なんて大嫌いだ。


 ――……なのに。

「今日からキミは、7人目の戦士として、邪悪な組織と戦ってもらいたい!」

 ……え、はい?

「君が選ばれたのは――……」

 そこから選ばれた理由だの云々を、まぁまぁな尺感で(校長先生のお話くらい長かった)語られて、耳に入ってきた言葉がほとんど右から左へ流れていった中、『7人目』だけが頭に残って。


 まーた、7、だ……


 そう思ったのが、僕が7人目の戦士として参加することになった、最初の日の出来事。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

7が嫌いな7人目。 CHOPI @CHOPI

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ