逆カジノ

第1話

　ようこそ、○◇カジノへ。

　当カジノでは普通のカジノと裏カジノ、そして闇カジノの三つが用意されております。

　普通のカジノはごく普通のカジノやパチンコ、スロットが用意されており、一般の方や新規の方に向けてのものとして用意されております。

　「低リスク低リターン」とでも言いましょうか。

　次に裏カジノですが、こちらは普通のカジノの高レートバージョンのようなものです。

　ここではパチンコやスロットよりも一般のカジノにおいてあるようなものを主に取り扱っております。

　こちらは一般の方には開放しておらず、一部のお金持ちの方と常連の方にのみ用意させていただいております。

　そして、当カジノで最も特徴的なものとして闇カジノが用意されております。

　このカジノは負けが続いて借金が膨らんでしまった方に向けて用意されているものです。

　ここでは、パチンコやスロットしか置いておらず、カジノというよりも地域のパチンコ・スロット店のようなものです。

　しかし、一台一台に個室がついているおります。

　ここに特徴としましては、一般における「勝ち」がここでは「負け」に、逆に「負け」が「勝ち」になることです。

　ここで遊戯をする場合、弾は自動で装填され、メダルや玉が出てくることはありません。

　ここで遊戯をするためには専用のカードが必要で、カードを筐体に読み込ませると個室が閉まり、一度始めると少なくとも10分は同じ台でしなければいけず、「当たり」がきた場合はあたり中は出ることができず、「当たり」が終わっても少なくとも5分は出ることができません。

　このエリアで使う専用のカードにはそのカードの所持者と紐付けされており、所持者の借金額が記録されており、このエリアで「負け」をすればするほど借金が減って行きます。

　遊戯をするために玉やメダルを使えば使うほど借金は減っていき、「当たり」が出て玉やメダルを得れば得るほど借金が増えて行きます。

　そうしてこのエリアのご利用者様は楽しんで（苦しんで）借金を返して（増やして）行かれます。

　あなた様もぜひ当カジノ店をご利用くださいませ。