ただの骸骨騎士な俺がなぜか七つの大罪に選ばれたんだけど……

ポンポン帝国

ただの骸骨騎士な俺がなぜか七つの大罪に選ばれたんだけど……

「『色欲』様(笑)のお通りだぜ?」


「あれのどこが『色欲』なんだ」


「骨格からしてエロいだろ?」


「ハハハ! そりゃ無理があるだろ」


 聴・こ・え・て・る・ん・で・す・け・ど?


 いつもの光景に溜め息を吐いた俺。こんな状況にもすっかり慣れてしまった。


 なぜ、俺を見る目が冷たいかって?


  我々魔族の間では、みなの上に立つのに七つの大罪っていう偉い身分が邪神によってに選ばれるんだ。それで俺がその一人に選ばれたんだよ。


 といっても『色欲』にだけどな。


 そりゃ名誉な事だろ? うんうん、そうだよね。俺じゃなきゃ名誉だと思うよ。



 だって骸骨騎士だし。



 わかる? 七つの大罪の中でも『色欲』ってのは人をたぶらかさないとダメなの。欲望に染めないといけないの。そういう決まりなの!


 なのに俺ったらお肉ついてないし、むしろ話す事すら出来ない。口を動かしたってカチカチ言うだけで誰にも何も伝わらないんだよ?


 それなら同じ骸骨をたぶらかせばいいって? 同族たぶらかしてどうすんねん。


 敵は勇者なの! 聖女なの! 聖女とかむしろアンデットにとって天敵なの!!


 今までの『色欲』さんはボンキュッボンのわがままぼでーなサキュバス、細マッチョなクールイケメンなヴァンパイアとかそんな人達ばかりで。


 邪神様も骸骨騎士の俺に何を求めてるんだ……。


「おい、勇者がこの砦にやってきたぞ!」


「ほら! 『色欲』様(爆笑)出番ですよ!!」


 何笑ってるんだよ! ふざけんな!!


 だが、俺も七つの大罪の一人。このままって訳にはいかない。勇者達のところへ向かおう。








「おら! そこをどけ!」


「聖なる光よ!!」


 やってやがるな。だが、これ以上俺の同胞をやらせるわけにはいかねぇ。


 勇者達の前に俺は立つ。すると、勇者と聖女がこちらに気付いたのか、目の色が変わる。


「なんと美しい骨なのだ」


 え?


「むしゃぶりつきたいわ」


 え? うそだろ!?


 そして俺は勇者と聖女にお持ち帰りされた。


 

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ただの骸骨騎士な俺がなぜか七つの大罪に選ばれたんだけど…… ポンポン帝国 @rontao816

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