ドタバタ月曜日

惣山沙樹

ドタバタ月曜日

 目が覚めると、大学の講義の時間はとっくに過ぎていた。


「なっ……なんで!? アラームは!?」


 見ると、スマホのアラームはなぜか解除設定になっていた。寝坊したものは仕方がない。わたしは、次の講義には間に合わせるため、身支度を始めた。


「ええっ!? 化粧水が!?」


 ボトルの底が割れていて、中身が全て漏れだしてしまっていた。洗面所はびしょびしょだ。もういい、とにかく顔を洗う。


「あれっ……タオルは!? タオルはどこ!?」


 思い出した。洗濯物を溜めてしまっていて、ハンドタオルは全て洗濯カゴの中だ。仕方なく、バスタオルで顔を拭く。


「ああ! カラコン落としたぁ!」


 カラーコンタクトをつけようとしたら、どこかに行ってしまった。探せど探せど見つからない。メガネで行くか。


「嘘っ!? アイライナー折れてる!?」


 化粧をしようとしたらこれだ。諦めてアイシャドウだけをつけようとした。


「なっ……ぐちゃぐちゃ!?」


 フタを開けると、粉が舞い散った。もういい、マスカラだけで何とかする。


「いやぁ! やっちゃったぁ!」


 慌てて塗ったのがまずかったのか、マスカラがまぶたと目の下にべったりくっついてしまった。もう一度顔を洗った。この際、ノーメイクで行くしかない。

 適当に服を着て、大急ぎで大学に滑り込むと、真由美が話しかけてきた。


「綾子、メガネなの珍しいね?」

「聞いてよ真由美ぃ! 朝から大変でさぁ……」


 わたしは朝から起こった悲劇のことを話した。真由美はポンポンとわたしの頭を撫でてくれた。


「たまにはこういう綾子の姿もいいかも」

「そ、そう? えへへ」


 そんな彼女の一言で、コロリと不運を忘れてしまうくらい、わたしはチョロかった。


「真由美、終わったらメイク道具買いに行くの付き合ってよ」

「もちろん」


 よし、お買い物デートだ! わたしはそれを楽しみに、講義を受けることにした。ドタバタした月曜日だが、終わり良ければ全て良し!

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ドタバタ月曜日 惣山沙樹 @saki-souyama

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