もし七夕の短冊がナナメ上の祈願成就をしやがったら

@pty029

もしたな

 私の高校には噂があります。

 七夕に飾られる笹、これへ最初に札を結んだ人の願いが叶うと言われています。

 

 誰もやりませんが。変な叶い方になるから。


「本日は晴天」と書いた札を先生が結び、願い事を封じるのが通例です。


 真偽が気になる私は試すことに。

 早く登校、花壇に身を隠し、先生が玄関に笹を置いて姿を消した直後、駆けて札を結んで逃走。一番乗り。


 何も起きません。


 数日後に事件。

 私はTLティーンズラブ趣味。昼休みにスマホで見ていたら男子がスマホを覗き見、エロ漫画見てると騒ぎ立てました。ああカースト最下層堕ち。


 現れたのは酒井博士ひろしくん。癖毛と黒縁眼鏡が特徴で二次元ラブを公言する変人ですが、彼が私のスマホを見て一言。 


「これTLティーンズラブ。エロ漫画じゃなくて青年誌だ」


  騒ぎは収まり底辺堕ちは回避です。酒井くんは天使。


 それから酒井くんに不幸が発生。飲料異物、財布紛失、革鞄窃盗、蹴球激突、鉛筆圧折、筆箱破損、廊下転倒。失神した酒井くんを保健室に運びました。


 意識が戻って起きた酒井くんがぼそっと。 


「昔カクヨムで見たアンラッキー 7 の筋? なんだこれ」


 もしかしてあの札?


 TLティーンズラブみたいな恋がしたいと七夕の笹に書いて結びました。それかも、ごめんなさい。そう酒井くんに伝えました。


「ぜんぶ札のせい、自分は悪くないとか思ってない? イラッとした」


 酒井くんは眼鏡を外しました。

 嗜虐癖のありそうな切れ目が舐め回すように……どうして、ここで例のあれ!


「TL みたいに乱暴にしたらいいんだよね。若宮さんは可愛いから主義を曲げる」


 酒井くんは私を押し倒し、目を閉じて顔を近づけました。唇が重なります。舌が私の口の中に入ってきました。ぬるっと生暖かいのが何だか心地よいです。

 私の口を陵辱した酒井くんは顔を離し、あの目で私を見つめます。

 

「責任取ってよ。嫌なら押しのけて」


 酒井くんの手が太もも、それからショーツへ。今日はうさぎショーツなのに!

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