Mission3 メイドの会話からヒントを
『先程は突然だったのに、来てくださってありがとう存じます』
『すごい丁寧だねw 大丈夫だよ!
ところで、君の名前って何? 俺は、音宮鳴子っていうんだ~』
『私は氷室文那と申します』
『氷室さんか。よろしくね!』
「ふ……ふふふ……」
高校生になってから、初めて人と連絡先を交換しましたわ……!! それにこうして仲良くなることで、安眠を手に入れることにも一歩近づきましたの……!!
『なるこ』
表示されているその名前を、指先で撫でました。音宮さん……いえ、先輩。
何度か連絡をやり取りし、分かったことがあります。彼は音宮鳴子。
確かにあの声は放送にうってつけですわ。たちまち心地よくなってしまうのは間違いなし……。
……ですが、声だけでは
……
そろそろ夕食の時間ですわね、と思い至り、
「私の彼が~~~~」
「えっ、そうなんだ~」
メイドたちが雑談に勤しんでいましたわ。……この者たち、話に夢中になるあまり、
……まあ、なんたる職務怠慢!!
苛つきはあっという間に頂点に達し、その衝動のまま口を開きかけ……。
「それで彼ったら、『お前と
それを聞き、
「え~、マユコの彼氏、めっちゃマユコのこと大好きじゃん!!」
「甘えてもらえるの、いいね~!!」
「そうそう! もうほんっとうに可愛いの~!!」
メイドたちの声色は、とても明るいものでした。……女性というものは、恋バナが好きなものであるようですからね……。
……いえ、それより。
──これだ!!!!
どうやら殿方はお相手の方にメロメロになってしまうと、一瞬たりとも離れたくない──……そのように思うみたいですわね。
でしたら音宮先輩には、
そうすれば彼は、片時も
「ふ……ふふふ……」
「おっ……お嬢様!?」
「もっ、申し訳ありません!! 話に夢中になってしまい……!!」
「いえ、雑談によりリラックスをするのは、とても良いことですわ。
さて、そうと決まれば作戦を立てねばなりませんね。夕食を摂ったら、すぐに部屋に戻りましょう!! ……ああ、忙しくなってきましたわ!!
スキップで廊下を進む
「……なんかお嬢様、機嫌良かったね」
「なんか良いことでもあったのかな?」
「ねー」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます