アンラッキーが四つ

七迦寧巴

第1話 アンラッキーが四つ

 今回のお題はアンラッキー7。これがなかなか難しい。

 そもそもラッキー7の定義もよく分かっていない。

 あ、もちろん野球が起源は知ってるよ。野球は好きで学生の頃はよく球場まで足を運び、七回には応援歌を熱唱していたから。


 でも普段の生活で「ラッキー7」って言葉は出てこない。ちょっと良いことがあって「ラッキー」は言うけど「ラッキー7」は言わない。

 まして「アンラッキー7」は人生で初めて耳にする言葉。

 このお題を考えた人は凄い発想の持ち主だと思う。


 何か書くまで頭の中はアンラッキーでいっぱいだと思いながら、昼食の支度。

 パスタを茹でて盛り付けたとき、皿のふちが欠けていることに気づいた。

 今どこかにぶつけた記憶はないので、欠けたのは少し前なのかな。誕生日に友人が贈ってくれたもので気に入っていたのに。


 テーブルに運んでベランダをふと見ると雨が降っている!

 朝は晴れていたので洗濯物はベランダに干してあったのだ。慌てて室内に取り込んだけど、少し濡れてしまったよ。


 食後にコーヒーを淹れ、録画していた番組を観ながら飲んでいるとインターホンが鳴り、注文していた化粧品と本のお届け。

 荷物を持ってリビングに戻ると、猫がコーヒーカップに近づき

「このニオイは大嫌いだニャ!」と言わんばかりに砂かけ行動をしている最中!


「あ! やめて!」と近づくけど時既に遅し。

 コーヒーカップは倒れて、猫は脱兎のごとく去っていき、テーブルの上にはコーヒーの池が完成──

 せっかく豆から挽いたのに……


 気を取り直して届いたばかりの本を開封。すると新刊にも関わらず表紙のカバーが折れている。


 なんだかアンラッキーが続いている気がする。これはアンラッキーなことを考えている所為?

 これ以上嫌なことには遭いたくないので、早々に書き上げて投稿してしまおう!

 残りのアンラッキーな出来事は、きっと他の誰かが引き受けてくれるはず。


 ですよね?

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アンラッキーが四つ 七迦寧巴 @yasuha

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