老舗魔導書専門店へようこそ

@RAN777

第1羽

魔導書専門店


ここは横破魔市よこはましに存在する老舗魔導書専門点


意図もせず、魔法がない世界から魔法がある世界に行ってしまう人が稀にいるらしい


とある日曜日の昼下がり


軽い掃除に品出し、今日は店長の発注ミスが多くてバタバタする

創立当時はお客さんががいたそうだが

ここ最近閑古鳥が鳴いてる

本当に、お客さんがいない


・・・めんどくさい、こんなに並べても買う人いるんかね


魔道書は魔法を使いやすくするために開発されたもの "本"その物を使い、取扱免許が必要

今じゃ、実際に手に取って実物を確認できる次世代オンラインストアがある

わざわざ店頭に行く必要も無くなり書店も需要がなくなったというわけだ。


ふぅ... ひと段落

朝から働いてるのにようやく

並べられた、問屋に返品もできないらしいし、困ったもんだ。


突然後ろから気配を感じた

はっ...として振り向くと

ん・・・子供?

そうか・・・


ねぇ、迷子?

私はそう少年に問いかける

表世界の文字で書かれた衣服、こちらの世界では見ない服のデザインで

こっちの人間ではないことはすぐに気づいた


ゴクリ

そう・・・こっちに来て


ここは立地的な意味で、時空の歪みが発生しやすい、それに巻き込まれるなんて 


どこから来たの

わわわ・・・ひくひく

あのね、ブッコローっていうオレンジの変な鳥探してたら

ひくひく

残念ながら泣いてしまったが

私の中ではよくあることだ



ブッコロー?

その名前を聞いて思い当たるのは、正式名、R.B.ブッコローというミミズクだ

本当にいるのだろうか?知を求め純粋な心を持つものだけが見えるとか・・・ 


どうしようか

これでも、優しく言ったつもりだが

言い方が怖かったか・・・?

子供の扱いにはあいにく慣れていない

困ってたところに


どこからか現れたオレンジ色のミミズク

ブッコロー その姿は図鑑でみたそのまんまの姿だった


あーあ、子供泣かしちゃったじゃないですか〜〜今度絵本持ってきましょうか?

居た!!!喋った!!!!

泣いてたはずが急に興奮気味な少年とちょっとdisられてしゅんとしてる私

そんな状況に、どうしたらいいのか戸惑っていると


すごい!もっふもっふ!大きい!

ブッコローの方にベタベタと触ったり抱きつく

もーやめなよー

ちょっと、離れたほうが

やだ!離れたくない!

ええ・・・


ブッコローって存在したんだ

でも、正直、こんなケース経験したことがない、でも周りに社員さんはいないし

どうやら私以外表世界で遊んでるらしいので、連絡手段がない


どちらにせよ

表の人間がここに長くいると

呪いが発生して体が耐えられないだろう

なんとか返さなきゃ


ブッコロー悪いけど、この子を元の世界に戻してあげて


え、そんなの知らない

え? 

はい?


ならどうやってこっちに?

ま、まぁ・・・


しょうがない・・・

なにか、手がかりは

ごめん、私調べ物してくる

いい本は・・・


階段を作る方法

違う

ワープする方法

これは裏世界限定違う

違う、あれもこれも違う、違う 違う!


お姉さん、お探しなのはこれでは?

ブッコローがそう話しかける

嘴の先には例の新作本

あるページを開くと

手がかりがありそうだった。

内容は、表世界と裏世界の境界線について

私は思わずガッツポーズする

お姉さん可愛いところあるんですね。

・・・


私は颯爽と、ここの座標調べ上げ、表世界の座標を調べる 

そしたら有隣堂っていう書店に辿り着けた

同じような従業員用が古いエレベーター

似てるな

これで、できると思う


少年よ、ここにいじゃ危ないから

あなたは帰らなきゃ

うん・・・


深呼吸、私自身魔法は得意ではないから緊張する



よし、魔導書を扉に押し付けて

÷+=^:×¥÷=<・々#

お願いっ


エレベーターが光に包まれた

最高だ

よし、乗るよ

ブッコロー君も

え、あ、はい

扉が開いた先は表世界のようだ



よし、この道辿れば帰れるよ、今までのことはお姉さんたちとの秘密ね それじゃあと

別れを告げた瞬間魔法で記憶を消した

疲れて

ぼーっとしてたら

ブッコローがなにやら急いでるのに気づいた


そんなブッコローから緑色の紙とレシートが落ちていた

何コレで...あ、3連単馬券・・・

表世界では競馬っていうギャンブルがあると聞いているそして、

2008〜2038年までの全レース結果本のセルフレジのレシート 

そして今は2023年

なぜあの場所にいたのか理解できた

あ、あっー!ブッコローさん 多分これ法律でダっ あ、鳥だからいいのか



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