「叶わぬ願い」

著：鳥丸千弦様

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　母……。泣

　いきなり泣いてすみません。本作は娘の叶わぬ願いを描いた、母娘の物語です。

　短いのにどエラいエモーショナルな作品。小さい女の子って絶対夏祭りに下駄履いて鼻緒が擦れちゃうよね……。苦笑

　「親の心子知らず」「親孝行したいときに親はなし」って言うけれど、本当に親がいなくなってから気づくことって多いですよね。親がいなくなってから、「ああこういう話をしたかったな」「こういうとき、親ならどうしたろう」って思う。後悔まではいかないけれど、何とも言えない気持ちが本作で表現されています。

　あと鳥丸さんの言葉選びが綺麗ですらすらと読めます。尖がないというか、ささくれているところが文章にないんですよね。だから、読んでいてひっかからない。素直に内容が入ってくるので、集中して読めました。

　母に対する気持ちを表現した歌が新後拾遺和歌集にあって、それが現代に生きる私たちでもわかるって、本当に素晴らしいことですね。

　企画にご参加いただき、ありがとうございました。

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