「大切で大嫌いで、そして…」「ハッピーエンドにさよならを」「おやすみなさい、いってきます」間川 レイ様

「大切で大嫌いで、そして…」

著:間川 レイ様


https://kakuyomu.jp/works/16817330650636343517


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「ハッピーエンドにさよならを」

著:間川 レイ様


https://kakuyomu.jp/works/16817330649513094441


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「おやすみなさい、いってきます」

著:間川 レイ様


https://kakuyomu.jp/works/16816927860251385907


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 メリーバッドエンド百合小説の名手(と私が勝手に呼んでいる)の間川さんの小説3連発です! 意欲的にご参加いただきありがとうございます。間川さんは一人称小説で主人公の心情を丁寧に表現されることが多いですよね。それゆえに短編なのにグッと話に入り込めるし、主人公に共感・同情してしまう……!


 「大切で大嫌いで、そして……」は自分に似ているようで似ていない友人の「優」との関係性を綴った物語。

 もう、まずタイトルが秀逸です。本当に主人公の気持ちが「大切で大嫌いで、そして……」なんですよ。(語彙力どこいった?)

 憧れや尊敬って、嫉妬や憎しみの隣にあって、線引きできないほど混ざり合ってるものだと思うんですよ。でも学生のときって、それは線引きできるものだと勘違いしていて、嫉妬や憎しみが勝ってしまうと相手のことを嫌いだと勘違いしてしまう。本当は憧れてるし大好きなのにね。

 と、語ってしまうくらい主人公の気持ちが鮮明に描かれている小説です。この感情に覚えがある人もいるはず……。


 「ハッピーエンドにさよならを」は、ハッピーエンドが嫌いな主人公と、文芸部の先輩ふたりのお話。間川さんも、主人公と同じようにハッピーエンドがあまりお好きじゃないのかなと勝手に思っているので、間川さんの創作観みたいなものも感じました。

 最後の、先輩のセリフがいいんですよね……。


 「でもさ、やっぱり私は思うんだ。」

 「人生にハッピーエンドは必要だよ。」


 いちばん必要なの、君たちじゃん……!ってなりました。幸せは実在しないのかもしれないけど、幸せになってくれと願わずにはいられない、そんなお話でした。


 「おやすみなさい、いってきます」は、壊れた家族の物語。家族のなかで唯一虐げられている長女が主人公です。父からは暴力を、義母からはネグレクトを、義妹からは無関心を受けている、そんな主人公。

 もう痛々しいまでの心情が淡々とつづられていて、思わず眉をしかめてしまうほど。最後、主人公に「お疲れ様。よく眠ってね、おやすみなさい……」と心のなかで声をかけてしまった。家族って難しいですね。



 企画へのご参加、ありがとうございました。

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