3-13. 上層へ
「ここから先が、上層か」
黒いツギハギとの戦いが終わった後、私達は三日程の休息を挟み、迷宮へと向かう冒険者稼業を再開した。
女王──あの大きなツギハギとの戦いを経て、私達は新たなスキルを得た。
効果は不明。
体感としては、思考速度が上昇した。
それは私のスキルによって激上した身体能力を制御するのに役立った。
おかげで迷宮の攻略が円滑に進み、あっという間に上層の入り口まで辿り着いた。
迷宮の壁が、ふたつに割れている。
その間に上り坂があり、闇へと繋がっている。
何も見えない。
しかし、思えば私の人生とは、常にこうだった。
一歩先に奈落の底へと繋がる大穴があるかもしれない。微かに踏み外すだけで、脚が吹き飛ぶような罠があるかもしれない。そういう場所を、目を閉じた状態で歩いているような人生だった。
今は違う。
「なに?」
振り向けば、信頼できる仲間がいる。
それだけのことが、とても温かくて、心強い。
「なんでもない」
目標ができた。
私は迷宮の深部へ向かう。
この迷宮には、まだ謎が多い。
だが深く潜る程に強い力が手に入ることは明らかだ。
私は圧倒的な力を手に入れる。
そして、いつの日か、祖国を滅ぼそう。
醜い復讐心を持って、
ゆったりと、優雅に。
一呼吸して、闇を見る。
そして私は、心強い仲間に告げた。
「行こう」
【あとがき】
ここまでお読み頂きありがとうございました。
ファンタジー難しい。いつかレベルアップしてリベンジします。
黒豚の優雅な復讐 ~「お前は醜い」と追放された王子、美醜逆転世界で虐げられた美少女達と共に幸せを摑む~ 下城米雪 @MuraGaro
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