第178話 経験値
前方に現れたのは見慣れたゴブリンだ。
ダンジョンが変わっても、ゴブリンは変わらない。
その数は、ぱっと見10は超えているけどこちらもセイバーが10人いるので問題はないだろう。
当初から話し合っていたように、他のセイバーと無理に連携をとる事は意識せずいつも通り、パーティとして立ち回る。
初見のダンジョンでゴブリン相手にスキルを消費するのは得策じゃない。
武器を手にゴブリンに向かう。
他のメンバーも意思統一できているので、同様に手に武器を持ち俺についてゴブリンへと足を運ぶ。
「ゴブリンだぞ!」
「おおっ!」
「いくぜ『アクセルブレイド』」
セイバーの1人がスキルを発動すると、他のセイバーも追随するかのようにスキルを放ち始めた。
『気焔斬』
『エアロカッター』
スキルをくらったゴブリンは消滅して、その数を減らしていく。
俺もゴブリンの隊列が崩れたのに乗じて、水月を走らせる。
言い方はあれだけど、他のセイバーの人達が露払いの役目を果たしてくれているので、それほど労力を払う事なくゴブリンを倒す事に成功した。
他のメンバーもそれぞれが役目を果たし、最初の戦闘は1分足らずで終わる事が出来た。
「所詮ゴブリンだな。大した事ない」
「まあ、ゴブリンだからな」
「今日は楽勝で終われんだろ」
俺達以外のセイバーは、最初の戦闘があっさり終わった事で手応えを感じているようだ。
「御門、どう思う?」
「ちょっとマズイかもな」
ゴブリンをあっという間に片付ける事が出来るって事は、スキルはある程度以上強力なのは間違いない。
聞こえてきたスキル名も聞いた事のないカッコいいのも混じってたし。
ただ、ダンジョンで最初にエンカウントしたゴブリン相手に初手からスキルを放つ。
いくつか考えられるけど、ひとつはスキルの使用回数が多い。
二つ目はテンション上がって何も考えずに使用。
三つ目はスキルを使用しなければゴブリンを倒せない。
出来る事ならひとつ目であって欲しいけど、おそらくそれはない。
なら、2つ目か3つ目。
もしくはその両方……。
つまりは、俺達よりもレベルが低く、ダンジョンでの戦闘もそれほど慣れてはいないという事だ。
やはり、当初の予定通り行くしかなさそうだ。
俺が注意してもいい結果を得られるとは思えない。
周りがスキルを使ってくれるなら、それはそれでいい。
俺達は、可能な限りスキルを使わずに3階層を目指す。
「みんな、周りに流されないようにいこう」
「御門先輩、今日はどうかしましたか?」
「え? 別にどうもしないけど」
「いつもとキャラが違うような」
「野本さん、キャラってなんだよ」
「いえ、今日は理知的というか、いつもはもっと……」
お知らせ
新作投稿はじめました。
非モテサラリーマン40歳の誕生日に突然大魔導士に覚醒する #40歳独身花岡修太朗が世界トレンド1位
https://kakuyomu.jp/works/16818093081837939348/episodes/16818093081838085001
スキルガチャの書籍版はたぶんもうすぐ出ます。たぶん……
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