第177話 遠征ダンジョンは危険がいっぱい?

他のセイバーと連携する気は無いけど、同じマップを元にしているので当然同じ方向へと進んでいく事になる。

まだモンスターもエンカウントしていないので、ほぼ一塊で先へと向かう。


「おい、お前達若いな。もしかして学生か?」


セイバーの1人が声をかけてきた。


「高校生です」

「スクールセイバーか。実戦経験あんのか?」

「それなりにありますよ」

「ふ〜ん。お前ら4人だろ? 男1人に女3人って大丈夫なのかよ」

「まあ、大丈夫です」

「まあ、邪魔だけはすんなよ?」

「はぁ」


なんか嫌な感じだけど、一応心配してくれてるのか?

見た感じ声をかけてきたセイバーの男は1人のようだ。

さっきの口ぶり。

そして1人での参加。

もしかしたらかなり強いのかもしれない。

ただ、連携がうまく取れる気もしないし、これ以上絡まない方が得策だろう。


「なあ、おい。よかったら俺が護ってやろうか?」

「えっ?」


この人が護ってくれるのか?

もしかしていい人だった?


「どうだ? そっちの彼女名前は?」

「三上です」

「三上さんか。よかったら連絡先とか交換しとくか」

「いえ、大丈夫です」

「ホーム一緒だし、なにかあるとまずいし、連絡先を」

「いえ、本当に大丈夫です」


これって……。

もしかしなくても英美里をナンパしようとしてるのか?

ダンジョンでナンパ!?

斬新すぎて衝撃的だ。


「これでも俺も結構やるぜ?」

「そうなんですね」

「三上さん、下の名前はなんて言うんだ?」


これ以上は無理だな。


「あ〜すいません。個人情報なんでそれ以上はちょっと」

「お前に聞いてるんじゃないって」

「いや、俺達パーティなんで、これ以上はごめんなさい」

「俺は三上さんに聞いてんだ」

「パーティリーダーもこう言ってるし、個人情報なんでごめんなさい」

「パーティリーダー?」

「パーティリーダーの御門です」

「お前の名前を聞いてるんじゃない。もう、いい!」


そう捨て台詞めいた言葉を残して俺達から離れていった。

やっぱりいい人じゃなかった。

俺の名前はどうでもよかったらしい。


「御門、ありがとう。助かった」

「いや、一瞬いい人なのかと勘違いしそうになったけど、ダンジョンでナンパってそんな事あるんだな。やっぱり女の子は気をつけないと」

「いつもと違うところだから、ちょっと開放的になるんじゃない?」

「そんなもんかな。まあ、そういう人もいるって事だな。セイバーがみんな正義の味方ってわけでもないし」


セイバーは、あくまでも能力的なものだ。

犯罪歴のある人は、セイバーの登録は出来ないって聞いた気もするけど、それ以外は性善説に基づいてる部分もあるしな。


「おい、モンスターだぞ」


そんな事を話しているうちに、他のセイバーの声が上がる。

ようやくモンスターが現れたらしい。


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