第176話遠征ダンジョン
「は〜い、それでは15分後からお願いします」
電車とバスを乗り継いで指定された事務所の支所に到着すると、セイバーカードを確認されてすぐに事務所が手配した小型バスでダンジョンへと案内された。
10名くらいが一緒に連れられてきたが、このグループが同時刻に探索開始となるらしい。
岸田や大前はいないので、別のタイミングとなったようだ。
ダンジョンの入り口は、俺達のホームダンジョンとさほど違いは無さそうに見える。
ただ、今日の為にか周辺を管理している職員の数は多めだ。
「御門、どうするの? 他のセイバーと一緒に行動する?」
英美里が小声で話しかけてくる。
「う〜ん、スタートは一緒だけど、その後はバラバラでいいんじゃないか?」
「私はそれでいいけど、舞歌達はどう?」
「いいと思う。知ってる人もいないし、連携も取りずらいだろうし」
「そう思います」
みんな俺の意見に賛同してくれるらしい。
初めてのダンジョンだし、人数が多い方がいいという一面もある一方で、全くの初見のセイバー同士が上手く連携を取ってやっていけるのか不安も大きい。
複数人いる中でおかしな行動を取るとも思えないけど、人となりもわからないし危険もゼロではない。
特にうちには女子高生が3人もいるし、モンスター以外の余計な心配事を抱えたくはないのが本音だ。
他のセイバーも各々が準備を始め、こちらに関わってくる様子もないので、探索開始に備える。
「一応マップにある3層を目指すけど、モンスターがどのくらいいるのかもわからないし極力スキルは使わずに進もう」
「わかってる」
「前衛が俺で英美里が真ん中、後方左右に野本さんと舞歌でいこう」
「「「はい」」」
ホームダンジョンであれば、慣れでスキルのコントロールも効くけど、ここのモンスターの数も強さもわからないので極力節約しながら進むのが1番堅い。
「そろそろいいですか〜? それじゃあお願いします。終わりは17時45分を目安でおねがしま〜す」
職員の人の声で、待機していたセイバーが一斉に立ち上がりダンジョンの入り口に入っていく。
俺達も同様にダンジョンへと踏み入れる。
「少し広い?」
「そうね、全体はわからないけど道幅は少し広い気がする」
初めて潜るダンジョンの最初の印象がコレだ。
いつものところに比べると少し通路が広いので身動きは取りやすく感じるけど、それ以外は特に変わらない。
ほぼいつものダンジョンと同じ造りに見える。
そのおかげで、潜るまで緊張していたけど、その緊張感は大分取れてきた。
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