ぶち鳴らせ、開放弦!!
げこげこ天秤
お題:「筋肉」
「うんぎゃぁーッ!! 無理ぃーッ!!」
「いい歌詞、全然出てこないよぉ~」
泣き言を吐き出しながら、
二人は、ガールズバンド――
「看守長ー。なんかヒントちょうだいよぉー」
「ヒント。あなたの負けです」
「ふぎゃぁ。ヤダヤダヤダー!! 私だって、テルルンみたいに、かっちょいい歌詞書けるもーん!!」
駄々をこねてみる
それでも、
そうだ!! と
――何かと思えば、情けない音で奏でられる「ウサギとカメ」だった。
「どぉーして、そーんなーに、のーろいのかー♪ ……って、うるさいよッ!!」
「
「うぐッ……」
目を不等号にしては、手をブンブンさせて不満をあらわにした
「ウサギとカメ」の教訓は、相手がどんな者でも油断してはいけないというもの。けれど、
「ありがと、
「ん? うん」
「……うーん。でも、だからっていって、思いつかないことには変わりないんだよねー、トホホ……。
「フレーズのストックはあるけど……。基本的に、歌詞見て曲作るから。いま作業は止まってるよ」
「げげッ。私、責任ジューダイ!?」
顔を真っ青にする
対して、
「深いこと考えずに、好きなように書けばいいと思うよ」
「ううん。せっかく、
「……?」
「なんか、こう、音でぶん殴る感じの!!」
言って、
「
「……うん?」
そして、おそらくは押されてはいけないスイッチが、
その最初の一行目は。
「筋肉、マッスル、Oh, Yeah!!(デスボ)」
「えぇ……」
「これは私が
「……はぁ。意味わかんな」
言いながらも、
「ぶち鳴ら~せ~!! 開放~弦~!! ありったけの筋肉で、心震わせる旋律をぉ~!!」
「メロディーラインまで考えなくていいよ。……めっちゃいいから採用するけど」
*****
しかし、この時の
「筋肉、マッスル、Oh, Yeah!! ……けほっ、けほっ」
ぶち鳴らせ、開放弦!! げこげこ天秤 @libra496
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