俺は尽くしたいけど触ると大体壊しちゃう
ポンポン帝国
俺は尽くしたいけど触ると大体壊しちゃう
「みんな、おはよう!」
優しく教室の扉を開けると、教室の後ろ側まで吹っ飛んでいった。騒音が鳴り響くがクラスのみんなはもう慣れっこで見向きもしない。
俺も最初(幼稚園)の頃は気にしていたが、もう慣れてしまったので気にせず自分の席へと歩いていく。
特別製の机に空気イスで座ると、隣の席の良子さんが笑顔でこちらを見て来た。今日も可愛い。
「良子さん、おはよう!!」
「ムチ男くんもおはよう」
それにしても良子さんは今日も天使だ。ちなみに俺の初恋の人でもある。俺は目線で机の真ん中にある網膜認証を終えると、自動でタブレット画面が現れた。
「いつ見てもそれ凄いね」
覗き込むようにこちらへと近づいてくる良子さん、サラっとこちらに流れて来た髪からとてもいい匂いがする。やばい、好き!
「筆記用具すら持てないからね! だけど我がガチ家はこういうのが得意だからね。ほんと助かってるよ!」
ちなみに俺はノーマルだからね? 名前で判断するのはダメだぞ?
「大変だけど、こういうの見ると羨ましいって思っちゃうなぁ」
俺は、この通り、触ると何でも壊す。教室の扉も自動ドアにする予定らしいが、入学してまだ一か月だ。予算がまだ降りないらしい。勿論、今壊したのは弁償している。
「それにしても先生遅いなー」
そんな事を言っていたその時――――。
「この学校は俺達が占拠しt」
俺は反射的にそいつに俺の机を投げた。男に無事命中し、失神。
物音に反応してこちらに仲間達と思われるやつらがやってくる。
「おいどうし、ぷげらっ!?」
「なんだこりゃ、フンガー!?」
「エイドリアアアアアアアアアアアアアン!!」
片っ端から(机を)ちぎっては投げ、(イスを)ちぎっては投げる。無事、全滅させる事が出来た。
「さすがムチ男くんだね!」
飛び上がるように喜ぶ良子さん。今しかない!
「良子さん、あなたの事が好きです!」
「ごめんなさい!!」
俺は死んだ。
俺は尽くしたいけど触ると大体壊しちゃう ポンポン帝国 @rontao816
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