村長さんとお武家さま(五)筋肉

ひぐらし ちまよったか

第1話

「――筋肉じゃと!? 村長や」


「筋肉ですね? お武家さま」


「ついに、ワシの肉体を披露する事態になったか! 女子諸君、刮目かつもくときじゃ!」


「いや、そゆことは求められてませんよ? たぶん」


「おむ? そうかの。ワシらいつも会話ばかりで『地の文』が無いから、容姿が不明瞭な読者が多いのでは? と、思うてな」


「ああ、たしかに私ら『年齢不詳』で『修行中の武芸者』と、『田舎の村長』って設定だけですもんね」


「そうじゃろ? いくら不親切な『ちまよったか』だろうと、あり得ない『怠慢』じゃ。これではワシのファンに申し訳が立たぬ!」


「あいつの『めんどくさがり』は今に始まった事じゃないですから。でも、この機会に少しだけ『お互いを褒め合』ってみます?」


「良いのう! ではお題に副って、お互い筋肉を褒め合おうではないか!」


「はい。お武家さまはやり易いですね。武芸者らしくムキムキで逞しい! 全身の『いくさ傷』が……」


「あ……このキズ、ほとんど姉さまとの稽古で……」


「えっ! そ、そうでしたか」


「そういう村長も単なる『村人』とは思えぬ『インテリ・細マッチョ』ではないか?」


「私の村、ああ見えて元々『忍者の隠れ里』ですから」


「なんと! そんな機密情報、漏らしてしまって良いのか?」


「はい。弟が『観光の目玉』にしてますし平気でしょ?」


「ほう、それゆえの『デパート』建造かい?」


「建物内に『隠し通路』や『落とし穴』、『吊り天井』も有るらしいです」


「……やるの、弟」


「アトラクション施設としても人気らしいです」


「よかったのう。ではソロソロしめの『謎かけ』と行くか?」


「はい。『筋肉』と掛けまして、ちまよったかが用意した『くす玉』と解きます」


「アホか! で、そのココロは?」


「割りたいと思ってましたが、落ちました!」


「取らぬタヌキのなんとやらじゃ! わっはっは!」


「まぁ、次回が有るさ! と、しときましょう」


「うむ! そうじゃな」

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村長さんとお武家さま(五)筋肉 ひぐらし ちまよったか @ZOOJON

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