バケット・モンスター~ソイ~

どくいも

いけー!ホエイ!100万シェイクだ!


やぁ!俺はインナーマッスルタウンのマサシ!

今日はバケモン博士に呼ばれて、バケモン研究所のやってきたぞ!


「というわけで、ここに3匹のバケモンがおるじゃろう?

 この中で好きな一匹を連れて、旅に出てほしいのじゃ!」


めちゃくちゃ話が早いな!

でも俺はそういうのは嫌いじゃないぜ!


「まず一匹目は、【ミズニャー】。

 水タイプでアメネコバケモンじゃ」


おお!大人気の水タイプと大人気の猫枠の融合!

進化したら、おそらく二足歩行になりそうだ!


「そして、2匹目は【コサンダ】。

 草タイプでササグマバケモンじゃ」


二匹目は、草で……おそらくはパンダかな?

クマ枠は旅の途中で仲間になる枠だと思うんだけど、こういうのもありか。



「そして、3匹目は【タクヤ】

 マッスルジム出身のボディビルダーじゃ」


いや、ちょっと待て。


「ああ、間違えた。3人目は【タクヤ】

 マッスゥジム出身のボディビルダーじゃ」


突っ込みたいところはそこじゃねぇよ!?


「む?何じゃこの三匹に不満がるというのか?

 仕方ない、それじゃぁこの3匹について簡単な説明をしてやろう」


どうやら博士は、このまま話を続けるつもりらしい。


「まず一匹目のミズニャーは、口から3リットル以上の水を放出することができるぞ!

 それと、雨が近いと、髭に水滴がつくな」


おぉ、なんとも具体的なのかどうなのかわからない説明。

バケモン図鑑的にはちょうどいい説明なのか?


「コサンダは非常に珍しいバケモンでな。おとなしい気質で多く乱獲され、その数を減らしてしまったらしい。最近では保護活動が盛んだそうだぞ?」


う~ん、これもよくある説明だけど……。

でもこの説明って、明らかに初めにもらう御三家じゃなくて、途中のサファリなゾーンとかで捕まえられるバケモンにふさわしい説明だと思う。


「そして、三人目の【タクヤ】は身長は175cm、体重はオンで74.5㎏、オフで83㎏。

 初タイトルは、2016年トラペシアス選手権。

 インスタグラムでは、日々おすすめのトレーニング法について載せておるぞ」


明らかに説明の種類が違うんだよなぁ。


「なお、ここだけの話、【タクヤ】さんは進化するとより基礎代謝がよくなるそうだ。

 つまりは……わかるな?」


分かんねぇよ。


「なに!?炎格闘はバケモン御三家にて最強じゃと知らんのか!?」


いや、そのセリフはいろんな意味で時と場合を選ぶぞ?

基本どれも強いのは、間違いないけどさぁ。

それでも、まぁ取るものは変わらないしとその手をミズニャーへと伸ばした。



「待ちたまえ少年」


ウワァアア!!バケモンガシャベッタァァ!!


「HAHAHA,しゃべるボディビルダーを見るのは初めてかい?

 そう驚かないでくれ」


いや、ボディビルダーは普通にしゃべるよ。

何、しゃべるバケモンを見るのは初めてか?みたいな口調で言ってるんだよ。


「……まさか、劇場版個体?」


そうだね、劇場版だとしゃべるバケモン多いもんね。

って、うっせぇわ!


「ところで見てくれ博士、この少年の筋肉を。

 これを見てどう思う?」


「……すごく、普通の子供です」


そりゃそうだよ!

こちとら、ボディビルダーと比べれば普通の肉体の子供だよ!

普通で何が悪い!


「だが、君はこれからその足で旅をするのだろう?

 そんなときに、そんな貧弱な肉体で旅を続けることができると思うか?」


なに突然まともなこと言ってるんだよ!

そこは、ある程度ファージな感じでいいんだよ!

それに旅の途中で、ライドバケモンとか、そういうの仲間になるから!


「なに!?君は人前でボディビルダーの背中に乗って移動したいと!?」


「流石にそれはわしでも引くわ」


なんで、ボディビルダーに乗ること前提なんだよ!

もっと普通のバケモンに乗らせてくれよ!


「というわけで、こんな無垢で虚弱な子供を一人で旅に出すのは、一ボディビルダーとして見過ごせん!

 というわけで、恥を忍んで頼むが、私が君のパートナーバケモンとなろう!

 この僧帽筋にかけて!」


「な、なんという美しい僧帽筋!?

 まるで、肩に神が宿っているようだ!

 これは頷かざる得ない!」


いやいや、人の意思を無視して話を進めるなよ!


「安心したまえ!

 私なら君を背中に乗せても問題ないし、海も泳げる!

 万能ライドボディビルダーだ!さぁ、遠慮せず!ともに行こう!」


ちょ、おま、勝手に担ぐな!

え、あ、ま……アーーッ!!!




なお、のちに彼らはバケモンリーグのコンテストにて、美しさ、かっこよさ、逞しさと、上腕二頭筋など、すべての部門で優勝することになるのだが……。

またそれは別のお話である。


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